イケボの彼はドSだったらしい。【川村壱馬】 (ページ48)

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☆ちゃんと話そうページ48

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…違う

壱馬くんの傍にいるだけで、それだけで胸がいっぱいなの。

私は言葉を上手く伝えることが難しいから、壱馬くんに伝える言葉ひとつひとつを

大切にしたいの。

だから壱馬くんを ” 壱馬 ” って呼べるようになるまで、大切にしておきたいの。

” 壱馬くんの傍にいるだけでドキドキして、ただ恥ずかしいだけなんだよ ”

この言葉を伝えたくても

目の前の壱馬くんを見ると出てこなかった。

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壱「俺さ…玲於さんに頭撫でられてんのとか玲於さんに笑いかけてる笑顔とか

そうゆうの見てすげぇムカついた」

『………』

壱「Aのああゆういろんな顔、俺だけに見せてくれてるんだと思ってた」

『……、』

壱「…でも違ったんだな」

『それは違っ…！』

壱「違くねぇだろ…っ」

私も壱馬くんも、

今にも涙が溢れそうだった。

そんな時、聞き慣れた声が聞こえて

すぐにドアが開いた。

壱馬くんと二人、ドアの方を見ると
オレンジジュースを持った玲於がいた。

…また差し入れ持ってきてくれたんだ

今日もごはんに誘ってくれた

でも今日はこんな状態だし、流石に行けないな

なんて思っていると、壱馬くんが席を立って。

まだちゃんと話してない…！って思って壱馬くんを呼び止めようとするけど

…臆病な私は、やっぱり言葉をかけることは出来ないんだ

すると玲於がなぜか壱馬くんを呼び止めて。

玲「待って壱馬」

壱「はい…」

玲「壱馬も一緒にメシ行かね？」

壱「え…」

…玲於何言ってるの⁉

玲「A、今日は三人で行こ」

『えっ…⁉さ、三人で⁉』

なんでこんな時にこの面子でごはんなの⁉
玲於変なこと言わないかな、空気大丈夫かな…⁉

玲「なに、嫌だった？」

『いやそうじゃなくて…』

玲「とりあえず予約しちゃってるから行くぞ。
ほら片付けて」

そう言われ、私は片付けるを得なくなってしまった。

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そして今、タクシーの中の空気は最悪

無言だし、運転手さんも気まずくさせちゃってるよ…

並び順もなぜか私が真ん中だし、左の壱馬くんは外見て不機嫌だし

右の玲於はまるでこの状況を楽しんでるかのようにニヤニヤしてるし

…今日ちゃんと、壱馬くんと話をしよう

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