哀別 ページ45
＿うらたぬきside＿
センラからAが倒れたという連絡を貰って大急ぎで病院に駆けつけた。
病室の扉をゆっくり開けると、抱き合っているAとセンラの姿が。
…あぁ、そういうことか…
一瞬で自分が置かれている状態を理解した。
したくはなかったけど。
開けた扉を閉めてその場から逃げるように去った。
センラまだ着きませんか? Aが話したいことあるそうですよ
う「話したいこと…か」
聞きたくないのが本音だがそんな我儘は飲み込まないといけない。
センラとの約束だから。
【今着いた】そう送って病室へと踵を返した。
再び扉を開くと中にはAが1人でいた。
う「…センラは？」
『帰ってもらいました…二人で話したいから』
う「そ…」
暫くの沈黙を破ったのはAだった。
『私、センラさんのことが好きです』
う「…そっか、幸せにな」
正直驚きはしなかった。
むしろ どこかで安心した。
それは、きっと相手がセンラだからで。
きっとセンラなら幸せにしてくれる。
そして、何より、こうして普通に話せている自分に安心した。
『…私だけじゃなくて、うらたんも幸せにならなきゃダメだよ？』
う「なれると思う？」
『なれるよ！…いや、なってるでしょ』
う「…ん、そうかも」
そうだ、俺には仲間が、友達が、応援してくれる人がいる。
幸せじゃないか。
う「なぁ、A」
『うん？』
う「好き…だったよ」
『…私も』
久々に見たAの笑顔はやっぱり綺麗で、壊れてしまいそうだが、それを守るのはセンラだから。
俺は守れなかったから。
Aの気持ちに気付こうとしなかったから。
そんな俺を少しでも好きでいてくれて。
側にいてくれて。
笑ってくれて。
う「ありがとう…じゃあ」
『うん、じゃあね』
もし、A以上に愛しく想う人ができたら、もう自分の気持ちに嘘は吐かないよ。
ありがとう、ごめんな、さようなら…俺の大好きだった人。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 424人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
松野かほ(プロフ) - milkさんmilkさん！坂田オチが欲しい私は我儘なのでしょーか！ふぁっ？！漢字が……間違ってますよ！神です！OK？(#･∀･) (2019年1月27日 0時) (
レス) id: 3dd7240901 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - ふぁぁぁぁぁぁぁ！！神ぃ！！もしかして貴方は人間を越えた神なのかも知れませんねヤヴァァイ…… (2019年1月25日 20時) (レス) id: 3dd7240901 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - うわぁぁぁぁぁぁぁぁ！！ラッラッラッラマンンンンンンンンンン！！こたぬきとしては悲しいような悲しいようなっ！くぅぅぅぅぅぅぅぅぅ！！ (2019年1月22日 18時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
海希 - すごく面白くて続きが気になります！無理しない程度で更新頑張って下さい！！！ (2018年11月4日 23時) (レス) id: 426add2276 (このIDを非表示/違反報告)
三日月 - すごく面白いです！これからも頑張って下さい！応援してます！！！(^O^)／ (2018年6月3日 22時) (レス) id: babebda14c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：milk | 作成日時：2018年1月4日 13時
