＊【うらたぬき】別に好きじゃないから＊

好き ページ11

私も案外消極的な方だとは思ってたからな…

そんなイメージ持たれてたのか。



『………ねえ、冬花ちゃん』


「はい…？」


『私が高橋くんと付き合ってるって言ったら、どうする？』



“まさか高橋くんと恋人同士になったんですか…？”なんて見透かしたような返答が返ってきた。

そうだよ、と認めるとすごい驚かれてしまった。


「高橋くん、Aちゃんのこと好きだったんですね…！！！」


なんて他人事なのに自分のことのように喜んでいる冬花ちゃん。

………いや、


『好きなのは、私…だけ……』



高橋くんは私のこと、何とも思ってない。

ただの罰ゲーム。

坂田くんがあんなこと言わなかったら高橋くんと付き合うことはできなかったのかなって。

高橋くんのことについてこんなに悩まずに、悲しまずに済んだのかなって。


『まあ、辛いけどさ。まだ半年もあるんだし！』



好きな人のことをそんな簡単に諦められる簡単な人間じゃないから、はっきりと嫌がられるまで私はついて行っちゃうよ。

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