かくしごと

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それから退院でき、僕は仕事を辞めた。

『先生と私、そんなに歳離れてないから兄妹に見られるね。似てないのに』

「嫌？」

『ううん、凄く嬉しい』

Aちゃん、前よりも明るくなったような気がする。
気がするだけかもしれないけど笑ってるように見える顔をすることが多くなった。

Aちゃんのご両親の遺産は働かなくても一生遊んで暮らせるくらいだった。
努力した人ってすごいんだな

そういえば、Aちゃんが日記を隠しているのに気づいた。
気になる…見てみたい…けど嫌われるかな…。
嫌われたくないしな〜…

でも見たい…っ

「うぅ〜ん」

『先生？お腹痛い？』

「なんで？」

『うぅ〜んって言ってたから』

Aちゃんの日記が気になるから、なんて言えないしなぁ…気になるぅ〜

『先生、日記ってなんで書くと思う？』

「え？なんでやろ…忘れないため？」

『そう。誰かに伝えるんじゃなくて忘れた時に自分に教えるために書くの。』

「ん〜なんかええ言葉やな、今の」

『んへへ、受け売りで使ってもいいんだよ』

「じゃあ遠慮なく」

言葉で笑ってるけど顔が全然動いてない…
目が笑ってないやつよりはマシやな。

そういや、最近友達と会ってないな

「ちょっとさ、Aちゃんに質問」

『なに？』

「友達に会いたいんやけど、一緒に来る？それとも家にいる？」

『え…どうしよう…一緒に行きたいけど…』

「ちゃんと説明するから大丈夫やで？」

少しでもストレス発散とか休息をとってもらいたい。色々我慢して欲しくないから。

『じゃあ、行ってみたい…』

「よーし、そんな心配せんでいいよ。みんなほんまにいい人ばっかやから」

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