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ドラマの撮影が始まってから約2ヶ月。
紫耀くんと同じ場所に居れてることがもう私にとって
幸福感しかなかった。


……………あれ?これって、オタク化してる?


でも私から彼への思いは届くことなくて、
いや、届いてはいけないものなんだろうけど。

どうしても紫耀くんに振り向いてほしいって
確かに心の奥底で思っているから。

諦めない。



貴方に、この気持ちを伝えられる日が
来るまで。絶対に。


でも、この私情は絶対に仕事には持ち込んではいけないもの。

ただでさえ厳しいこの世界で、一度過ちを犯し、
普通に仕事を続けられる。
なんて、そんな甘い話はない。


" 気持ちの切り替え "


これが今の私に必要なことだった。
浮かれてちゃいけない。そんなの分かってる。


きっと私は、重度の職業病。
いや、芸能界の方々は多分、みんなそう。


____________________________


夜9時


いつもより早く仕事が終わった私は、
事務所の近くでタクシーを捕まえた。

交通費は自己負担。
電車で帰る方がよっぽど安くすむけど、
なんせこちとら芸能人。

自分でも自意識過剰なんてこと分かってるけど
さすがに電車で騒がれたら困る。


ぼーっとタクシーの窓から外を眺めていると、
鞄の中で ブルブル と震える携帯。
慌てて鞄の中から携帯を探しだすと、
画面には" もも "の文字。


ももちゃんは私の数少ない友達の一人。
高校からの同級生で、波長もあうし、私の仕事を
素直に応援してくれる。


「もも?どした?」


も「あ!仕事終わってる?」


「うん、今帰ってるよ」


も「ナイスタイミーング!飲みいこ!」


画面の奥でなにやらバタバタしているもも。
いぇーい!なんて騒いでるけど、こっちはタクシーの中。

運転手さんに聞こえるかもしれないこの距離で
騒ぐのはちょっとやめていただきたい。


「いいけど、もう家つくよ?」


も「じゃあ、家行くわ!」


「は?」


も「準備手伝うから!そこから2人で行けば
いいじゃん!ねー!有名人!」


準備を手伝う?
意味不明なももの言葉に"了解"とだけ伝えて電話を切る。


全く、高校時代国語の成績がオール2だった
ももはこれだから困る。
バカじゃない、なんて悪口を頭の中で繰り返して
いるうちにタクシーは私の家の近くまできていた。


「あ!ここまでで大丈夫です!」


お金を支払い、タクシーを出る。
私は軽い足取りで家に向かった。






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作者名:憂流。 | 作成日時:2024年1月3日 13時

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