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やっと公開した主演の映画。
初日から大人気だったみたいで、様々な雑誌や
テレビの取材に引っ張りだこ。


やっぱり、自分が主演を務めた映画が人気なのは
嬉しいし、たまーにするエゴサとかで話題に
なっていると、それとなくいい気分になる。


でもやっぱり心ない言葉は溢れているわけで。


でも、浮かれている暇はない。
" 芸能 " というのは休む暇がなく、
何年後の予定もどんどん決められていくのだ。


マネ「新しいドラマの話。これなんだけど、受ける?」


そう言ってマネージャーが差し出してきたのは、
分厚い雑誌。
どうやら、ラブコメドラマらしくてコーヒー片手に
ペラペラとページをめくる。


マネ「この原本は人気らしいし、なんとなく
知名度もあるみたいだから、悪い話じゃないと
思うけど?」


「うん、私も知ってる。この本。」


マネ「じゃあ、前向きな返事でOK?」


「うん、受ける。連絡先お願い!」


りょーかーい、と言いながら電話をしにいった
マネージャーは私の相棒。

面白くて気も合うし、プライベートで遊びに
行ったりもする。今はれっきとした仕事仲間だけど。


取材「鈴木さん、雑誌のインタビュー
よろしいですか?」


「はい!よろこんで!」



さぁ、今日も私の仕事が始まる。



___________________________


今日はこの間のドラマの打ち合わせ。

共演者と顔合わせらしいけど、こう見えて私、
人見知りなんです。

そういうと、ほとんどの人が

" 芸能人なのに!? "

と、大体言われる。


まあ、しょうがない。だって、性格ってそんな簡単に
変えられるものじゃない。

それもこれも、ある意味私の個性。
" 個性 " というものが尊重されてきている
この時代だからこそ起こる問題なのかもね。


ディ「はい。では、" パーフェクトヒロイン "の
ダブル主演の平野紫耀さんと鈴木Aさんです!」


息が止まるみたいだった。


………………だってそこには、私の心を確実に
揺れ動かす、とても魅力的な彼がいたから。


紫「よろしくお願いしまーす!」


パチパチと起こる拍手。
その音が弱まった後、たくさんの人の視線が私に
突き刺さる。


「よ、よろしく、お願いします、!!」


一瞬間が空いて、一気に沸き起こる拍手。
恥ずかしい。こんなたじたじになってしまうのも、
目が合うだけでドキドキしちゃうのも。


………貴方の瞳に吸い込まれそうになった。






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作者名:憂流。 | 作成日時:2024年1月3日 13時

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