~ 11 ~ ページ11
・
ドラマの撮影もいよいよ終盤。
物語は最後のクライマックスに入り、
現場の皆さんの士気も高まる。
………………そこに入ってくるのが、
" キスシーン "
この仕事をしてる私自身、そういうシーンを演じた
ことがあまりなくて、慣れていないのが盲点。
しかも、相手が相手なのでこの状況で
ドキドキするな、という考えの方がよっぽど
難しい。
なんせ、あの美しい顔面が目の前にあること事態、
目がくらくらするほどありえない事なのに。
設定は、主人公の家で映画を見ている最中、
なんとなくありきたりな雰囲気になって
そのままキスをする、というもの。
これから、あの紫耀くんとそのシーンを演じると
考えただけで心臓がなりやまない。
紫「……A、緊張してる？笑」
私が心臓が飛び出そうなくらい悩んでいると
いうのに、この男はのんきに携帯をいじりながら
鼻息混じりで聞いてくる。
「、………別に、なんともないし」
ここは私の" 意地 "という厄介なものが反応して、
うまく言い返しができない。
そういうことも含めて、私の個性なのだ。
紫「そっか笑、俺は、楽しみ」
スタ「Aちゃんメイク入って〜！」
スタッフさんの声で遮られた彼の声。
一瞬なにか言いたげだったけど、それを問い詰めた
ところで何も生まれないと思ったからそれとなく
スルーした。
ばちりと交わっていた視線を私から外そうとすると、彼はゆるく微笑んで、手をひらひらと振った。
その表情に何が隠されているのか、知りたいとも
思ったけど、今は触れては行けない気がした。
__________________
( 紫耀side )
最初はなんとも思っていなかった。
ただの共演者って感じで、よくテレビで見る綺麗な
女優さん、というのが彼女に対する第一印象。
鈴木A
という人物は、美しくて、魅力的で、
他の人にはない特別な感じを持っている人だった。
その"特別"の真相が知りたくて、なんとなく彼女に
近寄ってみたけど、さっぱり分からない。
むしろ、近づくにつれて彼女の魅力がどんどん
溢れでてくる。
その魅力に吸い込まれるのに時間は要さなかった。
彼女の魅力をもっと知りたい。
彼女の瞳に写っていたい。
こんな感情を抱くのははじめてで、
でもこの業界ではもちろん、ありえない事。
でも、俺はただ、君に溺れるしかなかったんだ。
〜
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←~ 10 ~
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：憂流。 | 作成日時：2024年1月3日 13時
