ごじゅういち ページ5
「やっほ、A」
「ごめんね、まふ、忙しいのにわざわざ呼び出して。」
「全然大丈夫、僕もAの曲に携わりたかったし。」
「そう言ってもらえて嬉しいよ。
早速なんだけど、ここ……」
僕は「はじめまして」と「さよなら」の曲を歌った。
それなら「ただいま」の曲も歌うべきだよね?
そう思った僕はまた曲を作ろうとした。
というか作ってた。
2年のブランクは自分が思っていた以上に大きなものだったみたいで、メロディが全くと言っていいほど浮かばなかったのだ。
藁にもすがる思いでまふに連絡したら、まふは曲作りへの協力を申し出てくれた。ありがたい限りだよ。
「ここのベースはこういう動きの方が躍動感がでると思う」
まふのアドバイスをもとに譜面をいじって、その部分を再生する。
僕だけじゃ消しされなかったのっぺりとした印象が消え去り、心を揺さぶられるような感覚に陥った。
これが2年で音楽家としてランクアップした「まふまふ」としての力なんだ。
自分の事じゃないのに、親友がどんどん成長していることがすごく嬉しい。
まふは、いつになく真剣な目をキーボードとモニター向けている。
忙しいだろうに、一緒に作品を作ってくれている。
「ありがとうね、本当」
まふに聞こえないくらいの声量で呟き、僕も作業に戻った。
「こちらこそだよ」
って返事が返ってきて、少し顔があつくなったのはまた別の話。
1133人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ただの阿部担(プロフ) - 今見つけて、一気読みしました!上手く伝えられないんですけど、すごく好きです!その場でジャンプしちゃったくらい好きです。これからも更新頑張ってください! (2021年7月24日 10時) (レス) id: 341728400e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:梓 | 作成日時:2021年7月8日 15時