[男主][歌い手]炎上しました。男同士ですけど。[まふまふ]

いち ページ3

炎上していることを知り、
危機感を覚えた僕は
女性と間違えられて憤りを覚えながらも炎上した親友、相川真冬に電話をかける。
コールがやけに鈍く頭に響く。
寝起きだからかも知れないけど。

｢もしもしA？｣

数回のコール後にハスキーボイスが聞こえた。
いつもと変わらないその声に少しだけ冷静になれた。

｢もしもし、まふ？｣

｢A〜！
どうしよ、なんであんなことなってんの...？｣

不安げな声にせっかく取り戻した冷静ささえ崩れそうになって。
1回深く息を吸い、目を閉じて考える。
電話越しに親友が僕を呼んでいるが気にせず思考の海に潜る。

単純なんだ、この問題は。

｢まふ、ごめん。
僕が女みたいだからだ。｣

そうだと思いたくはなかったけれどそれしか理由がない。
だって、炎上の種になった写真に写っている女性は間違いなく、先日カラオケに行ったときの僕なんだから。

僕、女じゃないよ？

勘違いでまふに迷惑かけないでよ。

心に小さく怒りの炎が灯る。

｢...Aは悪くないんだ。
リスナーたちも悪くない。
悪いのは勘違いされるようなことした僕なんだ｣

｢まふは馬鹿なのかな｣

｢え｣

呆けた声に小さく嘲笑する。
だってそうじゃないか。

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