79話 ページ30
スマイルside
「肝据わってますねぇAさん。さすが本物のスパイやわ」
ロボロさんか隣で感心している。
俺とロボロさんはずっと聞こえてくるAの声と、それから、Aと会話している男__オブシディアンと言っていた__の声を聞いている。
大先生は同じ部屋にはいるけど、いつも通りの情報管理部の仕事中。
Aの状況を随時確認するのと普段の仕事は交代ですることになっている。
いくつもある監視カメラのパネルは部下たちに割り振られて彼らが見ているが、大先生は全部をぼんやりと眺めている。
それでいて一つパネルしか見ていない部下より異変に気付けることもある。いろいろなパネルを見ているからこそ、気付けることもあるのだ。
大先生は、今日はそのポジションを担っている。
「潜入、成功しそうなん？」
パネルからほとんど目を離さないまま、大先生がきいてきた。
「はい、なんとか。大丈夫そうです」
「良かった」
一瞬こっちに目をやってニコリと笑う。
「あとちょっとでロボロ、こっち交代してや」
「りょーかい」
""「して、なぜここにやってきたのか、聞かせてもらおうじゃないか」""
Aの声より少し遠い、オブシディアンの声が聞こえてきた。
…施設の中に入ったAが、どうやら部屋に招き入れられたみたいで、そこで一旦俺らは話をやめて、また耳を澄ませる。
……俺は、俺にできることを。
_ _ _ _
Aside
施設の中に入ると、いろんな国から集められてきたのであろう兵士たちが、一斉にオブシディアンにお辞儀する。
『貴方はここのトップなのですか？随分と慕われているようですが』
「そうだ。私がこの組織を発足した」
彼がここのトップ。また新たな情報だ。
最上階の、執務室のような部屋に招かれた。
「して、なぜここにやってきたのか、教えてもらおうじゃないか」
深く椅子に腰掛けたオブシディアンは、向かい側に私を座らせると早速きいてきた。
『私は一度、α国を裏切りました。そのことは、ご存じですね？』
「あぁ」
『ワイテル国に潜入し、わかったのです。この国は、強い。戦争となれば、友好関係にある我々国、日常国も手伝うでしょう。たとえ奇襲攻撃をしても、敵わないと思ったのです。そこで、ワイテル国に協力するフリをして、α国王を殺そうと考えました』
「…極悪非道な王だった。死んだことで救われた者は多いだろう」
オブシディアンは深く息を吐いてニヤリと笑った。
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らーて - 初コメ失礼します。こんな素敵な作品が読めて僕は幸せです！。続き楽しみにしています。更新頑張ってください。 (2022年8月10日 15時) (
レス) id: 50b204a28c (このIDを非表示/違反報告)
涼夏人 - 失礼します。初コメです。この作品、神！神作！続き楽しみにしています。頑張ってください！ (2022年8月8日 16時) (レス) @page31 id: 8404a67f98 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - おかえりなさい！！自分もめっちゃ低くてやばかったです！ゆっくり待ってます！頑張ってください (2022年6月29日 14時) (レス) @page7 id: d3fac2225a (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - おかえりなさい！！僕の方がテストやばかったので安心してください…☆ゆっくりで大丈夫なので！！更新待ってます！、 (2022年6月28日 22時) (レス) @page7 id: 511b9233eb (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - おかえりなさい！お話はゆっくりで良いのですのよ！おかえりなさい(о´∀`о) (2022年6月28日 19時) (レス) @page7 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らむね☆ | 作成日時：2022年6月12日 11時
