32話 ページ32
なかむ様は、インカムの別のボタンに指をかける。
「次は、日常国」
カチリとボタンが押された。
"「……、あ!ワイテル国から通信来てるよ〜!」"
明るい高めの声がした。
"「はーい、こちら日常国、しにがみでございま__「ぺいんとでございまーす‼︎」__おいぃ!途中から割り込むな‼︎」
…なんだろう。これまた、騒がしい気が…
「ワイテル国、なかむです。皆さんにお願いがあって」
"「おっ、なんだ?」"
さっきの二人とはまた違う、二人の声がした。
"「あ、クロノアさんトラゾーさん!おかえりなさい!」"
なかむ様はクスリと笑った後、口を開く。
「明後日、α国から宣戦布告されるんです。援軍、お願いできますか」
"「え、α国!結構な大国を敵に回したね!」"
「我々国さんにも、援軍を貰えることになってます」
"「僕らももちろん手伝うよ〜!」"
軽く言われて、拍子抜けしてしまった。
良かった…
「ありがとうございます」
"「今度会うときは、戦争じゃないといいね!また遊ぼうね!」"
「はい!」
カチリ、通信が切られた。
なんて、心強いんだろう。
我々国、日常国。
両国ともに、ワイテル国と同じかそれ以上に大きくて、強い国。今まで任務に関わったことのない国だから詳しくはないけれど、それでも名前は知っている。
もしかしたら、本当にα国に勝てるかもしれない。
そう顔を綻ばせたとき、
ガシャンと音がして、何かが飛び込んでくる。
デジャヴだ。
ガキン!と音を立てて、敵のナイフを自分の細身のナイフで受け止める。
相手の顔が見えない。
「「A!」」
すぐさまなかま様とぶるーく様が敵に斬りかかり、それを避けようと敵が動いた瞬間、シャークん様が敵を羽交締めにした。
『……貴方、暗殺者にしては弱いけれど…私以外に派遣されていた、スパイか何か?』
「……そうよ」
低く、憎しみにまみれた声。
その声には聞き覚えがあって、私は思わずナイフを持つ手が震えた。
俯いたまま、勝手にペラペラと喋る敵。
「暗殺も、私が任されたのよ。国王からあなたがきいた、暗殺者を送ったというのは嘘。隙をつくためのね」
信じたくない。認めたくない。
「…A?まさかこの人のことも、知ってるの?」
きんとき様に声をかけられた。
嫌だと、真実に気付きたくないと叫ぶ心の中の自分を押さえつけて、言った。
『はい。私の、母です』
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すみれいん(プロフ) - らむね☆さん» いえいえ!私も言っていいものか迷っておりまして…。もしあれならこの誤字のやり取り消してもらって大丈夫ですので!! (6月7日 23時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
らむね☆(プロフ) - すみれいんさん» わわわ…ありがとうございます。たまに気付いてない誤字あるんですよね…!指摘凄く助かります! (6月7日 21時) (レス) id: 5aa85bc4da (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - たまに読み返しに来てます。いつも読みふけって忘れてしまうのですが47話の大先生さんの件のお話のciが訂正するところ、こいつの名前っていう所がこいつほになってますよ(こそっと) (6月7日 15時) (レス) @page47 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
だいふく - smさんと夢主はよくっつけ〜!めっちゃラブラブカップルになる予感!これからも投稿頑張ったください! (2023年1月5日 21時) (レス) @page50 id: 8b39de642b (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - 続きまってますワクワク (2022年10月5日 17時) (レス) id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らむね☆ | 作成日時:2022年5月19日 15時