【刀剣乱舞】裏歴史調査本丸伍【薄桜鬼】 (ページ40)

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１１２．あなたは何者？ページ40

安定に案内してもらって、
見かけたという場所まで連れてきてもらった…。

のだが…。

A「いないね」

原田「ずっと留まってる奴なんていないだろう？」

言われてみればそうだよね。

待っていてほしいと約束をしたわけでもないのだから、
何か用事がない限り留まる事なんてしない。

急いできたつもりだったけど、
案外にもこの時代の人たちは歩くスピードが速いんだ。

A「空振りか…。
仕方ないからまた今度…」

大和「主！いたよ！」

会えないなら帰ろうとした時だった。

安定が指を指しながら大声をあげたから
そちらを見てみると…。

A「……確かに、似てる…」

原田「昼間に見ても、やっぱり似てるな…」

こちらに向かってゆったりと歩いてくる女。

雪村千鶴とは違ってちゃんと女物の着物を着て、
この時代の女性がするような髪型をしている。

どうやって声を掛けるべきか…。

話を聞けなくては意味がないし、
不審者だと思われて逃げられても困る。

しばらく悩んだ後、掛ける言葉を思いついた。

A「声を掛けてくるよ」

南泉「え？！急に？！！」

原田「大丈夫か…？」

A「原田さんは隠れていてください。
多分ですが、あなたの顔をあの人は知っているはずです」

そう頼むと、
原田左之助は頷いて路地へと身を潜ませてくれる。

それを確認してからみんなに向けて親指を立てて見せ、
女に向かって歩き出す。

すれ違う間際、そこで声を掛けた。

A「すみません、お伺いしたい事があるんですが…」

？？「……私…？何でしょう？」

A「雪村千鶴、ご存じですか？」

そう言葉を掛けると、
ほんの少しだが相手の眉間がピクッと動いた。

これはこれはビンゴと考えていいだろう。

知らない名前ならば何の反応も見せないはずなのだから。

A「ご存じなんですね」

？？「……あんた、誰？」

A「それはこちらのセリフです。
少々お話をお伺いしたいのですが…。
あ、敵ではないので安心してください」

？？「そう言われて"はい、そうですか"なんて言うと思う？」

A「フフッ、確かにそうですね。
でも私が言えるのは敵でも味方でもない。という事だけです」

なるべく笑顔は崩さない。

これ以上、疑われたら逃げられてしまうのだから。