【刀剣乱舞】裏歴史調査本丸 参【薄桜鬼】

５１．写しと本歌 ページ11

A「ただいまぁ…」




昨日、３振りが手に入れてきた情報は、
潜入している彼らから報告を受けたものと
被る部分が大半だった。

だが一つだけ、発覚した事がある。

それは、蜻蛉さんを撃った男は、
金髪野郎の仲間だった。

だけど不思議なのは、禁門の変の時期はまだ、
薩長同盟が結ばれる前という事だ。

金髪野郎とがたいのいい男は薩摩側。
青い髪の腕に刺青がある男は長州側。

何故その二組が仲間なんだろうか…。




長谷「主、戻られましたか」

A「ただいま長谷部。
任せちゃってごめんね」

長谷「主命とあらば、どんな事でも熟しますよ。
それはさておき、昨日(さくじつ)、政府から来た者がおります」

A「は？政府から？」




そんな通達は来ていないし、
通信で連絡も貰っていない。

あまりにも突然の話に驚いていると、
見慣れた白いマントを目深に被った
まんばちゃんがやってきた。




山姥「おかえり…」

A「ただいま。
元気ないけど、どうしたの？」

山姥「……やはり、
俺が写しだから本歌が来たのか？」

A「本課？
政府にそんな課なんてあったかな…」




本課……。
何をする課だろうか…？




長谷「その本歌、山姥切長義が政府から…」

？？「あなたが、この本丸の主か？」




本課について教えてくれようとしていた
長谷部の言葉を遮り、
まんばちゃんと似たような、
だけど物凄く綺麗なマントを羽織った
刀剣男士が歩いて来た。

見た事のない刀剣男士。
こんな男士、刀帳にあったっけ？




A「えっと、この本丸の審神者、Aです」

長義「俺は山姥切長義。
俺こそが長義が打った本歌、山姥切。
そこの偽物くんとは違うという事だ」




………は？え？

本課じゃなくて本歌！？
本物の山姥切って事か。

綺麗な所作に立ち居振る舞い。
とても礼儀正しいのに、
残念な部分が垣間見えてしまい勿体ない。




A「ご丁寧な挨拶ありがとうございます。
一つだけ言っておきますが、
山姥切国広は確かに写しです。
ですが、彼は彼です。
"偽物"と言うのは止めて頂きたい」

長義「……失礼した」




ちゃんと謝れるんだから、
やっぱり育ちがいい証拠だね。
(育ちって何だ？)

山姥切長義から話を聞くため
書斎へ行こうとすると、
後ろから呼び止められる。

その声はまんばちゃんなわけだけど、
振り向けば、一面ピンク色の花びらが
舞い続けていた。

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