【刀剣乱舞】裏歴史調査本丸 参【薄桜鬼】

５８．危機到来 ページ25

〜土方歳三side〜

ふと障子戸を見た時、
何の光も差し込まない闇が見えて、
大きなため息を一つ吐いた。




土方「チッ、もう一日が終わりやがったのか…」




最近じゃあ、稽古に顔を出す事も出来ず、
毎日毎日、文机に向かって筆を走らせる事ばかり。

身体が鈍って仕方ねえと思い、
出来るだけ外を歩くようにはしているし、
時間を見つけては素振りをするようにはしている。

だが何をしていても、
頭の中を巡るのは書面をどう書くかや、
隊内の事ばかりで落ち着きやしねえ。




山崎「副長、ただいま戻りました」

土方「ご苦労だったな。どうだった」

山崎「はい。隊士たちが騒いでいるように、
武田さんは馬越くんに対し、
異常なほどに関わりを持とうとしていました」

土方「チッ、面倒な事をしやがって。
あいつは隊内の風紀が乱れると
分かってやってんのか？」

山崎「それに対し、
馬越くんも迷惑がっているようです」




んなもん、迷惑に決まってんだろうが。

俺が馬越の立場なら、組長だろうが何だろうが、
大声で怒鳴り散らしてやりてえし、
度が過ぎるようなら法度があろうが
脱退してえと思うだろう。

男所帯の新選組。いつかはそんな話が
聞こえてくるんじゃねえかと思ってはいたが、
まさか副長助勤である組長がとは
予想していなかった。




土方「武田は厳重注意だな…」

山崎「次の件ですが…」




その言葉を聞いた時、
ずっと動かしていた筆を止めた。

硯の横に筆を置き、
廊下に留まっていた山崎を部屋の中に招き入れる。

さすがにこの話は
外でさせるわけにはいかねえからな。




土方「平助の勘違いなら良かったんだがな」

山崎「どうやら、勘違いではなさそうです。
しかし不可思議なのは、
彼らの元締めが分からない事です」

土方「山崎すら掴めねえのか…」

山崎「島田くんにも頼んでいるのですが、
彼も掴めていません」




以前、平助からの報告で、
馬越と三品の様子がおかしいと聞いていた。

非番になると、
あの二人は毎度屯所にいない。

だが、門限までには必ず戻ってきているし、
特に何か問題を起こすような事をするわけでもない。

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