９．入隊試験 ページ19
〜和泉守兼定side〜
光りが落ち着いて
視界がはっきりすると見えるのは、
昔の日本の風景。
和泉「出陣以外で、ここに来るとはな…」
見慣れた景色っちゃぁ、見慣れた景色だ。
ただし、１振りで来た事はないけどな。
町人たちが行き交う大通りを
しばらく情景を見ながら歩き、
一本の細い路地へと入って、これまた少し歩く。
そこにあったのは、懐かしい門だった。
和泉「まさか、俺がここに立つなんて、
思ってもみなかったぜ」
あの頃は自らの足で歩く事なんてなかったが、
いつも腰に差されながら見ていた門だ。
懐かしい風景。懐かしい匂い。
町とは違い、この門の近くは
男くせぇっつうか、汗くせぇっつうか…。
まぁ、懐かしいに変わりはない。
？？「新選組の屯所に、何か用か？」
あまりの懐かしさに佇んでいれば、
聞き覚えのある無愛想な声で呼び掛けられる。
そちらへ首を動かせば、
着流しの黒い着物に白の襟巻。巡察の帰りなのか、
浅葱色の羽織を着た斎藤が立っていた。
和泉「入隊希望な…、んですが、
どうすればいいですか？」
んな事、聞かなくたって知ってるんだが、
今の俺はただの浪人か町人だ。
しかも、あまりにも突然に現れた新選組幹部隊士に
いきなり出くわした事に、
少しばかり動揺しちまった…。
その動揺を悟られないように言い直すと、
斎藤は俺の頭の先からつま先まで見てから、
やっと目線が合う。
斎藤「少し、ここで待っていてくれ」
俺の横をすり抜け、斎藤は屯所である
八木邸の中へと入って行ってしまった。
和泉「やべぇ…。
心の準備っつうもんが出来てなかった…」
ため息を吐きながら、
八木邸の門柱に背中を預ける。
どうでもいいけどよ、
斎藤ってあんなに小さかったんだな。
主よりは高いが、
俺からすれば見下ろせる高さだったぜ？
煩く鳴り響く心臓の音を抑えるように腕を組み、
斎藤が出て来るのを待つ。
どの時代、どの場所に来ても、
青空っつうのは変わらねえんだな。
なんて、空を見上げて思う。
斎藤「待たせたな。こちらへ」
浅葱色の羽織を脱いで、
真っ黒い着物と白い襟巻だけになった斎藤は、
八木邸から出てスタスタと歩いて行く。
その後を追って歩けば、
目的の場所はすぐそこだった。
和泉「壬生寺か…。懐かしいな…」
斎藤「何か言ったか？」
和泉「いや、何でもね…、ないです」
くそ、調子狂うぜ…。
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まほろ(プロフ) - 華音さん» こんにちは♪仕事の為対応が遅れてしまい申し訳ありません…。前回同様、詳しく教えていただきありがとうございます！本当に助かります(´∀`)ご指摘頂きました部分を訂正しましたので、ご報告を♪こんな誤字脱字の多い奴ですが、これからもよろしくお願いします♪ (2020年4月28日 18時) (
レス) id: 18251f37d7 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - おはようございます( ´ ▽ ` )早速最新話読ませて頂きました☆ですが最後のページ41頁にて誤字がございましたので^^;御報告致します。誤「前川てに戻る前に」正「前川邸に戻る前に」ですね。宜しくお願い致します(*^^*)それでは、続きを楽しみにしております♪♪ (2020年4月28日 8時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 華音さん» こんにちは！誤字の指摘を詳しく教えて頂きありがとうございます！早速直しましたのでご報告を♪見返してはいるのですが、どうしても見落としがあると思いますので、また見つけた場合はご指摘ください♪駄文ですが頑張って更新しますので、よろしくお願いします♪ (2020年4月20日 8時) (レス) id: 18251f37d7 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - 続きです。一つ目は誤「私の心中だけは暗い雲ので覆われていた。」正「私の心中だけは暗い雲で覆われていた。」二つ目誤「僭越なが、この小狐丸、主様の〜」正「僭越ながら、この小狐丸主様の〜」ですね（＾ν＾）それでは、これからも応援しております☆ (2020年4月20日 8時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - おはようございます。早速最新話を更新分まで読ませて頂きました♪ただ第5話11頁のみ一文字多い文章の所と一文字抜けている小狐丸の台詞がございましたので^^;御報告致しますね。 (2020年4月20日 8時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほろ | 作成日時：2020年4月18日 9時
