【刀剣乱舞】裏歴史調査本丸 壱【薄桜鬼】

７．主の真意 ページ15

〜加州清光side〜

新選組への潜入調査。
沖田くんと一緒に過ごして、
一緒に戦える、最初で最後の機会だと思う。
何より、主の役に立てるなら行きたかった。

なのに俺は、選ばれなかった。

その真意が知りたくて、
みんながいなくなって静かで広い
広間に主と戻って座る。




A「清光は大人だね」

加州「え？」

A「みんながいる前では
異を唱えなかった。それは、
みんなの手を煩わせたくなかったからでしょ？」




主の言葉に正直驚いた。

苦笑交じりに笑えば主は優しく、
それでいて困ったように笑ってくれた。




A「清光はさ、池田屋で折れたでしょ？」

加州「それと今回の潜入から外れたのと、
何か関係があるの？」

A「……あの悔しさや悲しさを
清光に味わってほしくないんだ。
その点、安定は池田屋に行く事が出来なかった。
その悔しさを晴らさせてあげたいって思ったんだ」




あぁ、そうか。
確かに俺はあの時、帽子が折れてしまった。
その時の悔しさは、なんとも言い表せないほどだ。

主は、そんな俺の事を考えてくれてたんだ。
それに、安定の事も…。




加州「ははっ、主には敵わないね」

A「これは期待させちゃうかもしれないけど、
場合によっては、潜入する本数を
増やすかもしれない。
そうなった時は清光、
真っ先に行ってもらうからね」

加州「うん！俺、頑張っちゃうよ？」

A「いや、まだ分からないからね！
増やすような事がないように祈っててよ…」




俺たちの事を第一に考えてくれる。
その為に必死になってる主が可愛いんだ。

主は俺の頭をポンポンっと優しく撫でてくれる。
とても優しくて温かくて。
この手が大好きなんだ。




A「じゃぁ、私は準備のために
買い出しやら行かなきゃいけないから、またね」

加州「うん。主、ありがとう」




笑顔で手を振る主を、俺は守りたい。
主の役に立つなら俺は…。




加州「そんな事になったら、主は泣くからダメだね」

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