初恋と私と彼と (ページ7)

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ろくわページ7

「「悠木と伊藤のラジオプリティ！」」

悠「さーて始まりました悠木と伊藤のラジオプリティ、パーソナリティーの悠木碧でーす」

「同じくパーソナリティの伊藤Aです！あのですねー、五回もやっといてあれなんですけど、やっぱり私プリティって年じゃないですよ」

悠「そんなことないですよ！まだ28じゃないですか」

「やめておくれ碧ちゃん…”もう”28だよ…」

悠「…年の話はやめましょう！さ、お便り行きますよ～

ラジオネーム彩陽さんからいただきました。
悠木さん伊藤さんこんにちは！」

「こんにちは～」

悠「お二人に質問なんですが、お二人の共通点はあるんでしょうか。気になって夜も眠れません。

ということですが～、どうでしょう」

「とりあえず夜は寝ていただいて。

共通点かぁ…背が低いこと？」

悠「あれAちゃん身長いくつ？」

「えっとね、150ぐらい。ごめんうそ、148。」

悠「なんで一回嘘ついたんですか…。あー、私の方が低い！」

「あんま変わんないし、碧ちゃん普段ヒールだからわかんないよね。」

悠「Aちゃんヒール履かないよね～、なんで？」

「転けたら嫌でしょ。」

悠「子供か。」

「てか今日碧ちゃん敬語とタメ口がごちゃごちゃ…」

悠「いや！だってAちゃんが急に砕けて喋ってくれるからどうしたらいいのかテンパって」

「そうやって喋れって言ったの碧ちゃんなのに…聞きました？今私のせいにしましたよ？」

悠「AちゃんがSになってるー！！」

と、まぁこんな感じでラジオの収録は滞りなく終了したのだが、私は今大反省会中である。

楽しくなってつい普通に友達と喋るテンションで話してしまった…。年下とはいえ先輩に…！なんということを…

ラジオスタジオの端っこ、積まれた段ボールの横でうじうじとしていると、上から暖かいココアの缶が落ちてきた。私はなけなしの反射神経でガシッと掴んで見上げると、むぅ、と怒ったような表情を浮かべた碧ちゃんが。

悠「わたしがいいっていたんです！というか私が頼んだんだから気にしないでよ、ね？」

「あ、りがとうございます…」

悠「えぇぇちょ、泣かないで！！」

先輩の心遣いと、単純に友達として見られたような気がして、少しうるっときてしまった。

慌てる碧ちゃんをよそに、私はまだ熱いココアを一口飲んで、クスリと笑った。