初恋と私と彼と (ページ1)

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ぷろろーぐページ1

初恋は実らないって言うけど、私はそれを信じない。初恋が実らないのは、きっと恋愛のスキルが身についていないせい…そう信じて20数年間、私はとある男にずっと恋をしている。

もちろん、初恋。

それにしても、恋は病だとはよく言ったものだと思う。熱に浮かされたのような想いを抱え、下手をすれば拗らせる…拗らせきった私が言うのだから、間違いはないはずである。私もそろそろ実ってもバチは当たらないと思うのだけれど、何せ相手が筋金入りの鈍感で、私の想いにこれっぽ値も気づきやしない。

その鈍感のおかげで助かった部分もあったのだが…流石にここまで気づかれないとなると、私のことを認識しているのか、不安にもなる。

はたまた、知っていて鈍感なふりを続けているのだろうか。だとしたら、結構辛い。

私は、今年の11月に28歳の誕生日を迎える。

親や親戚は、『そろそろいいお相手いないの』とか『早く孫の顔見せてね』なんて耳にタコができるほど言われ続けている。あぁ、そういえば彼の誕生日も今月だったか…。

私と彼の年の差は11個。

『年の差なんて関係ない』と私は思うのだが、周囲はそうもいかないらしく、古くからの友人や、仕事の先輩、後輩にまでそろそろ諦めたらどうかと、常々言われている。

私もできればそうしてしまいたい。もう、忘れて新しい恋をするのもいいかもしれないと思ったこともある。何回忘れてしまいたいと思い、他の男性とお付き合いをしようと思ったことだろうか…。病である恋の副作用のせいなのか、私は彼以外好きになれないようなのだ。

しかし、いつまでもいつまでも、こうしているわけにもいかないのだ。

私が18歳の時に自分で作ったタイムリミット。それが刻一刻と迫ってきている。なぜそんなものを作ってしまったのか…昔の私を叱り飛ばしてやりたいが、過ぎたことを言っても仕方ない。

私は、30歳の誕生日までに、彼に告白しなくてはならないのだ。