2 日常 ページ3
朝比奈がD機関に来てから数日後。
朝比奈と他の機関員は驚くほど早く打ち解けていた。
それは、元のメンバーが揃ってから日が浅かったのもあるが、朝比奈の人懐こい性格にもよるだろう。
結城中佐から、''教えてやれ。''と言われたのもあって、一同は朝比奈に対して訓練の合間を縫い、主に語学、体術などを教えていた。
ーーーーーーーーーー
「ちげーよ！！スキありまくり！」
波多野の指摘に、朝比奈は脇を締める。
「え、こ、こう？？」
「全っ全ダメ！！」
「え、じゃあ、こう？？？」
「もっとダメ！！だ！！！」
「！！！」
ズダン！と音を立て、朝比奈は床に転がる。
「残念でしたー」
そう言って笑う波多野に、思いっきり投げられた朝比奈は文句を言う。
「いった！波多野ひどい！」
「！？ひどくねーし、痛くもねーだろ！」
そんなやりとりをしながら波多野は内心少し感心していた。朝比奈は痛いと言いながらも、しっかりと受身をとれていたのだ。朝比奈は元の運動神経が良いのか、上達は早かった。
「(まぁ、まだまだ俺には及ばないけどね。)ｸｽｯ」
「え、波多野なんで笑ってるの？怖い。」
不敵に笑う波多野を見て朝比奈は怪訝な顔で問いかける。
「安心しろ。お前をどう痛めつけようか考えてただけだから。」
「いや、全然安心できないんだけど！？」
朝比奈は必死に抗議したが、波多野は聞く耳を持たず、
今日はこれくらいで切り上げよーぜ。
と、両手を頭の後で組み、歩いていってしまった。
朝比奈は不満げに頬を含ませながらも、次の訓練が結城中佐によるものだと思い出し、波多野のあとを追いかけた。
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作者名：どんぶり太郎 | 作成日時：2017年3月4日 23時
