〇試合後 ページ21
「皆さ〜ん、アジア予選第１試合の見事な勝利、おめでとうございます」
更衣室内に監督の呑気な声が響いた。
だが、皆はどこかスッキリしない気分で部屋内にあるベンチに目を向けていた。
座った豪炎寺の足の容態を診ていたドクターが、困ったような表情で救急箱を持って立ち上がる。
「詳しいことは検査をしなければわかりません。ですが回復に時間がかかるのは間違いないですね」
「そうですか」
ドクターは所見を伝えると、「失礼します」と言って更衣室を出て行った。
「円堂、お前と世界へのフィールドに立ったっていうのにな」
豪炎寺は悔しさを噛み締めて残念そうに言うが、円堂はそれと対照的にニカッと笑った。
「なーに、まだ始まったばかりだ。豪炎寺が戻るまでは絶対に俺達で何とかするさ」
「このチームなら、もっと前に進んでいける」
「ああ。俺達は全員でイナズマジャパンだ！豪炎寺、しっかり治してこいよ」
その頃……
『(ここ、どこだろ)』
女子更衣室から、みんなのいる更衣室に向かって歩いているはずの詩音は、一向につかないことに疑問をいだいて近くのベンチに座り、監督に『遅れます』とメールを送った。
そして、携帯で現在地を調べようとすると、突然声をかけられた。
「橘…詩音…？」
『……はい？』
いきなり名前を呼ばれて、反射的に顔を上げた詩音の目に映ったのは韓国代表キャプテンのソク・ミンウだった。
「……なんでこんなところに？」
『更衣室に向かう途中の休憩です』
さも当然のように、詩音はそう答える。
すると、ソクは話しずらそうに切り出す。
「その…試合の時は、ありがとう」
まさかそんな話が出ると思っておらず、詩音は少しだけ目を見開く。
「あのとき、助けてもらわなかったら俺は試合に出られなくなっていたかもしれない」
本当にありがとう、と言った彼は頭を下げた。
そんな彼を見ていた詩音の口が開く。
『…気がついたら体が動いていたんです』
「え？」
『ペクさんたちがあなたを狙ったような視線をむけていたので、何かあるとは思いました。そのあと、なんで助けたのかは分からないですけど…まぁとりあえず無事で何よりです』
ソクはそういう彼女の目を見ると「優しいんだな」と呟く。
「頑張れよ、イナズマジャパン」
ソクはそう言い残して、帰って行った。
取り残された詩音は最後のソクの言葉の意味を考えていた。
『優しい……？』
その時足音が聞こえてきた。
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ましろなみ(プロフ) - おもろ(´°‐°｀) (3月2日 19時) (
レス) @page27 id: c79dd3b270 (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - 少し見ただけなのに虜になってしまいましたよ…笑 (2022年8月25日 20時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - はい！この作品大好きでお気に入りなのでもちろん見続けます！！ (2022年8月25日 20時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
おまんじゅう(プロフ) - 宮野冬姫さん» 訂正させて頂きました！ご指摘、ありがとうございます！一星は日本人でしたね……笑よろしければこれからもこの作品をよろしくお願いします！！ (2022年8月25日 19時) (レス) @page3 id: 94f2fc2342 (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - 代表発表のところですが、一星充はロシアでサッカーをプレーしていただけで、ロシア人ではないですよ！ロシア人と書くのではなくロシアでサッカーをプレーしていた人の方がいいと思います (2022年8月25日 1時) (レス) @page3 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おまんじゅう | 作成日時：2021年6月25日 21時
