24.とにかく向かうしかないのでしょうか。 ページ25
ごみ捨て小屋の鍵を手に入れて、いよいよそこに向かう私たち。ごみ捨て小屋じゃなかったらどうしよう、と思い始めたけれど、健は『そうだったらその時だ』と言ってくれた。この学校については、ほぼ完璧に知り尽くしているから違っても何とかなるかな。うん、なんとかなる!
学校にあった時計を時々見てみるけれど、私たちが『こっち』に飛んできた時間を指したまま動いていないような気がする。やっぱり、ここにやってきた時の世界のコピーなのかな。それとも、ここだけ別の時間が流れてる?
『この世界』に関する疑問はたくさんある。何より、さっきからウィンドウが応答してくれないから何も分からない。魔法の一覧はしっかり出てきてくれるのに。相変わらず、親切なのかそうでないのか分からないウィンドウだ。
そんなことを考えてると、ごみ捨て小屋の少し手前にたどり着いた。その時、私たちは『ここに捕まっている』と確信することができた。
「ボスがいるってことは、そういうことでいいのよね?」
「簡単には通してくれない、って訳か」
そこには、ゴーレム(小)が2体とゴーレム(大)が1体。ごみ捨て小屋の前に立ち塞がって、いかにも感がすごい。『ここに入られたくないです』って申告してるよね。
相手より前に攻撃してしまいたい。健が私の前に移動し、私は理紗を後ろに隠す。残念ながら理紗には攻撃手段がないから、とにかく後方支援に徹してもらう。理紗もそのことをよく分かっているはず。蒼太は私のすぐ隣に立った。
「Attacco-Blu-Primo」
「Distanza-di-volo-Giallo-Primo」
2人は同時に呪文を唱える。蒼太のは何だか長い。初めて聞くな。唱え終わった直後に健が青い光に包まれた。そして、蒼太が矢を放つ。その矢はゴーレム(小)のうちの1体(分かりにくいからゴーレムAということで)……ゴーレムAに命中して怯む。この動きも見慣れてきた。
私も何かやらないと。質問には答えてくれないくせに一覧はちゃんと出す、そんなウィンドウを表示させる。最優先は数を減らすことだけど、ゴーレムB(小さいゴーレムのうちAじゃない方)は健が相手している。ゴーレムAには何本か矢が刺さっているから、攻撃を受けていないのは大きいやつだけ。
……バランスを考えると、私はこいつの相手かな。さて、どうしてやろうか。
25.これはベストなんですか。→←23.どこに行けばいいのでしょうか。
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シュウ - 待っ…面白いです! (2021年9月3日 0時) (レス) id: f920010a89 (このIDを非表示/違反報告)
恋 - 読んでいて楽しいです!こんなおもしろい作品をつくってくれてありがとうございますっ!これからも応援してます! (2021年5月8日 20時) (レス) id: b0074abe1a (このIDを非表示/違反報告)
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