23.どこに行けばいいのでしょうか。 ページ24
見張りと思われるゴーレムが消えたので、私たちを邪魔する者はいない。学校に入るなら、今がチャンスだ。
「……いいね?」
お互いに確認しあって、正門から入る。閉めておけば完璧だったのに、何故か解放されている。まあ、閉まってたら困るからいいんだけど。
見慣れた風景のはずなのに、何もかもが違って見えた。私たち以外に誰もいない、そんな学校は初めてだ。生徒が多い学校だから、誰もいないなんて普通ありえない。そう考えると、余計に不気味。
「何もないな……敵も、あいつらも」
健が呟いた。私たちはクラスメイトと渡辺先生を助けるためにここに入ったのに、誰もいなかったら意味がない。
「面倒くさいけど……一部屋ずつ確認すれば、見つかるかも。どこかの部屋に閉じ込められてるんじゃないかな」
蒼太の提案に、理紗がそうですねと賛同した。それについては私もそう思う。もし私が敵だったら……できるだけ目立たない部屋、普段人が行かない部屋あたりを使う。それでいて鍵がかけられる……
「ごみ捨て小屋、とか?」
「確かに!」
私のつぶやきに、今度は健が賛成した。私たちの学校では、あまりにもゴミが多くでた時……大掃除とか、文化祭とか……そんな時はゴミ箱が埋まってしまうので、『ごみ捨て小屋』に持っていく。サイズは……体育倉庫を一回り大きくした感じ。定期的に業者が来て、まとめて回収してくれている。私も1度しか行ったことがないけれど、あそこなら2人ぐらい余裕で隠せるはず。
とりあえず行ってみようと、そっちに歩きだす。確かここを曲がって……
「待って、鍵がかかってるかも」
「よくぞ気づいた蒼太!」
「でも、どこにあるかな……」
「……事務室?」
理紗の一言が決め手になって、私たちの狙いは事務室になった。事務室は中学生の建物にある。ちゃっちゃと行って取ってこよう。
事務室に入り、本来は入ってはいけないところまで進んでいく。机の上には事務の人の書類とか荷物とかまで置いてある。……じっと見ても、動いたりはしない。この世界がコピーの世界だとしたら、どのタイミングなのかな。初めて来たときのかな。
「あった、ゴミ捨て場の鍵!」
静まり返った事務室を観察している間に、健が鍵を見つけたようだ。
さぁ、ごみ捨て小屋に行こう。
24.とにかく向かうしかないのでしょうか。→←22.慣れてきたことにしていいんですか。
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シュウ - 待っ…面白いです! (2021年9月3日 0時) (レス) id: f920010a89 (このIDを非表示/違反報告)
恋 - 読んでいて楽しいです!こんなおもしろい作品をつくってくれてありがとうございますっ!これからも応援してます! (2021年5月8日 20時) (レス) id: b0074abe1a (このIDを非表示/違反報告)
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