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31.避けられない試練です。 ページ32

しばらくして、学校が再開した。穴がなくなって落ちた人も帰ってきて、安全だと思ったらしい。いつどこに穴がまた現れるか分からない恐怖はあるけれど、これに関してはどこにいても同じで、対策のしようがない。いつかは日常に戻らなければいけないんだ。
 2人のクラスメイトは教室には戻ってこない。入院したらしいという噂は聞くけれど、それ以外は分からない。渡辺先生もまだ見ていない。授業変更も聞かないから、多分代わりの先生がいるんじゃないかな。今度蒼太あたりに聞いてみよう。

「帰ってくることなんてなかったよね?」
「ニュース見たか?この学校映りっぱなしだったよな」
「あそこの廊下通るの怖いよぉ」
「ホントに穴ないんだよね、見に行こうよ!」

 クラスのざわめきはもちろん大きい。もちろん反応はバラバラだ。ああ、私たちが3人を助けたんだなぁと実感する。担任の先生は『とりあえず、気をつけようがないけど気をつけろ』と言ってきた。確かにそうなんだけど矛盾してませんか。気をつけようがないならどうやって気をつけろと。言いたいことは分かるけど。相変わらず頼れn……それは言い過ぎか。もうやめよう。大事なのはそこじゃない。

 何が大事かって、色々あるけれど、学生である私たちにとって避けられない嫌な行事が迫っていた。
そう、定期試験である。

 とにかく成績が大事。成績第一。点数をとにかく取りにいけ、そんなスタイル。7月末に迫った期末試験では副教科も試験、嫌でしかない。中間試験を乗り越えて、赤点もなく、いよいよ落ち着いてのんびり遊んでいられると思っていたのに。どうしてこうも学校ってやつはテストが好きなのだろう、とこれだけでいつまでもグチっていられる。
 去年同じクラスだった、頭のいいあの人が授業で寝ている。いつもは寝ていないのに、テストでおかしくなってしまったのかな。普通に勉強で疲れてるのか。
 ゲームも封印だな……メモっとかないと次に何したらいいか分からないかな……確認しようとして遊んでしまうんだよな……終わったら夏休みだと思って頑張るしかないか……

 ゲームという楽しみを封印すると、私たち4人の繋がりも少し薄くなる。インターネット通信で『みるく』を見かけることもなくなるし、帰り道にゲームの攻略法を語り合うこともなくなる。特に蒼太との関わりが薄くなるけれど、
今回は、いつもとは違った。

32.乗り越えたもん勝ち。→←30.なんとかなりました。



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作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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シュウ - 待っ…面白いです! (2021年9月3日 0時) (レス) id: f920010a89 (このIDを非表示/違反報告)
- 読んでいて楽しいです!こんなおもしろい作品をつくってくれてありがとうございますっ!これからも応援してます! (2021年5月8日 20時) (レス) id: b0074abe1a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みーちゃん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年11月30日 21時

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