【名前変換オリジナル】ウラオモテゲーマー

16.できると言うのですか。 ページ17

『〇〇中学・高等学校にイレギュラー発生、前代未聞の復活』
『イレギュラーに巻き込まれた生徒が帰還を果たす 〇〇中学・高等学校にて』
『世界初 イレギュラーからの生還』

　朝8時頃に目を覚まして、テレビをつける。すると、こんな感じで次々とイレギュラー関連のニュースが飛び込んできた。うちの学校映ってるなぁ……
　朝食を片付けた後で携帯を見ると、いくつかの通知が来ていた。昨日の『ゲーマーグループ』だ。

Kenおはよう!ニュース見たか?
みるくおはようございます。今見てます
みるく見ました。学校映っちゃいましたね
まいまいやっぱり映るよね……
カイ生還するのは初めてなんだね
Kenやっぱり、俺たちがあっちに行ったからなのかな
カイ僕もそう思う、彼を抱えて出てきたのは事実だから

　男子2名がそう言うならそうなんだろうな、と思う。クラスメイトを抱えながら帰ってきたのは、紛れもなく彼らだったから。

みるく同じようにすれば、あとの二人も助けられないかな……?

　理紗の発言にはっとした。私がずっと考えていたモヤモヤを言い当てていたから。
　あのウィンドウは『出入り自由です』と言っていた。その後に『じゃあ今すぐ帰りたい』と言ったのは、理紗だ。あの子は優しいから、気にしていたとしても不思議ではない。それどころか、気にしていないとおかしい。
　……待てよ、出入り自由？

まいまいあのウィンドウ、出入り自由だって言ってたよね
Ken言ってたな
まいまいつまり、もう一度行けるってことだよね?
カイそうなるはず

　一呼吸をおく。ゆっくりと、次の文を入力する。理紗、あんたが言いたいのは、つまりこういうことだよね。

まいまいもう一度行ったら、他の人も助けられるんじゃないかな

　一度についた『既読3』。それを見て、心臓が速く動くのが分かった。ついに送ってしまった。本音を言ってしまった。
　あの場所は確かにわけが分からなかった。それが怖くないのかと言われたら、怖い。ゲームの様な衣装、ゲームのような表示、ゲームのような世界。私たちはそれで誰かを救えるのかもしれない。いや、実際に一人救っている。

　誰かが反対したら、この考えは捨てよう。そう思いながら返信を待っていた。

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