落ちこぼれ少女と王子様 。 （ 9 ）

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そしてマジックのようにパチっと大きな浮かんでいる時計を出してその人は微笑んだ









？「貴方が決める事よ。ここに居るのも、目覚めることも。」









カチ、カチ、とゆっくり進む時計は私の気持ちも焦らせる。









？「ここを出るなら私の後ろにある扉を出て真っ直ぐ進むの。ここを出ないならその場にいればいい。時間はあと30秒よ」









私は迷った。すごく迷った。









その人の時計を見てあと15秒辺りでもう一度声をかけた









A「あなたのｯ！名前を教えて…！」









「3」と書かれたプレートのドアの取っ手に手をかけて後ろを振り返る









するとその人は









「怜(れい)。」









と静かに答えて手を振った









最後に見えた景色には時計は消えていて、怜と名乗った女の人もキラキラと粉のように溶けていった









ドアを閉じて見えたのはすごく綺麗な花畑。









どこを見ても綺麗な花。









…よく見てみると10色だけだ。









でもこの10色がすごく綺麗に生えていた。









ここは…一体どこなのだろうか









怜が行った通り私は現実に戻れるのだろうか









その時に思い出した「真っ直ぐ進むの」という言葉。









花畑を真っ直ぐ真っ直ぐ進んだ。たとえこの道に終わりがなくても、ただひたすら真っ直ぐ。









誰かがこの先で待っててくれてるような気がして。









歩いてどれくらいだろう。同じような景色がずーっと永遠に続いて、飽きを感じ始めている。









一度止まってぼーっと空を見つめると









どこかで見たような蒼空と、どこかで見たような眩しい太陽がそこにはあった









そして、どこかで見たような誰かの笑顔。









一体何を表しているんだろう。

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