落ちこぼれ少女と王子様 。 （ 9 ）

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受話器から聞こえてきたのは…









佐藤『ごめんなさい、明日しか部屋が空いてなくて…』









…ですよね。









A「うーん…ちょっと待ってくださいね…」









レッスンは喉のために必要、定期放送は…なくても良いけど数少ないファンの方が待っててくれてる、ケーキの宅配……行きたい。









どれも本当に大事なのだ。









A「えと…じゃあ朝からでも大丈夫ですかね…」









佐藤『よかった！大丈夫です！それでは明日6時30分から待ってますね！』(ﾌﾟﾁｯ









はぁ…早すぎだし、スタジオ行くまでに目覚めるか心配…









侑香たちに電話しなきゃ…









私は机にうなだれてからLINEで侑斗という文字を探した。









ﾄｭﾙﾙﾙﾙｯﾌﾟﾁｯ









侑斗『あ、もしもし？』









爽やかな声で微笑みが伝わってくるような感じで出てくれた侑斗。









A「ごめんなさい…明日行けなくなりました…」









段々小さくなる私の声をすくい上げるように『大丈夫だよ？電話してくれてありがとう』と言ってくれた。









A「…行きたかった」









めせもあ。メンバーが「だれと電話…？」というような顔で見つめてくるが今はそれよりも配達に行けなかったショックのほうが大きい。









侑斗『だぁいじょうぶだよ、またあるから！ね？その時は一緒にさ。』









A「…うん」









三人で作ったケーキを三人で届けられない寂しさが私を不安にさせている。









あの場所で働いてていいのか、と。









侑斗『大丈夫、僕らAのこと信用してるから。お仕事頑張って♪ね、侑香もそうだよね』









電話の奥で『そうだよーん♪』と聞こえる。









ちょっとそれが可笑しくって、笑いながら「じゃあ次は私も連れてってね」と言って電話を終わった。









のっくん「今の誰？」






A「内緒w」







あおい「だれ？」








A「だから内緒だってw」









白服「Aが隠し事…！？…萌える…」








フォーゲル「白服さん気持ち悪い黙って」

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