ぼんやり、心が軽くなる ページ6
「"記憶にない"って…、本当に？」
「あぁ。夢の中の俺は、髪型からして小学校高学年だ。
だが、それくらいの時期に、夢のような内容の出来事は記憶にない」
俺の言葉に、精市は考え込むように手を顎に当てる。
暫しの、沈黙。
「もしかしたらさ、」
そして、思いついたように 精市は口を開く。
「蓮二が忘れている可能性があるんじゃない？」
「俺が、」
忘れている？
そう繰り返せば、精市は小さく頷いた。
「蓮二は記憶力良いけど、
だからって何でも覚えてる訳じゃないでしょ？」
お前だって、人間なんだから。
精市はそう言うと立ち上がり、小さく伸びをする。
「まあ、ミスの原因が聞けて良かったよ。
真田も心配してたんだよ？」
「…弦一郎も気付いていたのか」
やはり、こいつや弦一郎には隠し事は出来ないな…。
…しかし、
「人に話すと、やはり心が軽くなるな」
「そう？だったら、良かった」
俺の顔を見て、にこり、と笑う精市。
…精市は、俺が何かに悩んでいる事を知っていたのだろうか。
……。
いや、それはないだろう。
…そう願おう。
「ふむ、しかしもうこんな時間か。
教室に戻らなければならないな。…精市はどうする？」
屋上に備え付けてある時計で時刻を確認し、
俺はベンチから腰を上げながら、既に立っている精市に声をかける。
すると、
「うーん、俺のクラスは次 自習だし…。
水遣りをしてから教室に向かうよ」
「そうか。ならば、俺は先に戻るとしよう」
俺はそう言い、精市に背を向けて ドアノブに手をかける。
「相談くらいはしてよ？
俺ら テニス部の参謀なんだから」
後ろでドアが閉まる時に聞こえた、精市の声。
「…感謝する」
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李紗(プロフ) - すごく面白いです！夢主ちゃんと柳とのからみが待ちどおしいです。これからも頑張ってください！ (2015年4月6日 0時) (
レス) id: 66d5ecffa7 (このIDを非表示/違反報告)
tiyo(プロフ) - とても面白いです 続き待ってます (2015年3月7日 21時) (レス) id: df6864ec7e (このIDを非表示/違反報告)
風丸 マナミ(プロフ) - 主人公可愛い(〃ω〃)皆から愛されていってほしi(((( (2014年11月12日 20時) (レス) id: 34b4870df1 (このIDを非表示/違反報告)
左在右 - 誤字報告 有難うございます、訂正致しました。また、アドバイスは参考にさせて頂きました(*^^*) 読み手様の好みに合っていたようで書き手としても嬉しい限りです。これからも日々精進致しますので、温かく見守って下さると幸いです* (2014年11月12日 19時) (レス) id: 428ac5e4c4 (このIDを非表示/違反報告)
八月と朝(プロフ) - 前回は誤字報告だけだったので、今回は感想を。ストーリーがよく、話のリズムも好みにあっています。最近よくある台本書きや、一目惚れによる急展開がなくて、新鮮でした。他にもあるのですが、字数の関係で割愛。これからも、無理せず適度に頑張ってください。 (2014年10月25日 18時) (レス) id: cd0f57f927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：左在右 | 作成日時：2010年8月17日 10時
