#学園 #退学 #簡単な方法

#45話 ページ46

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密書を持つ係は仙蔵になった
まぁ妥当だと思う。どこに隠してるのか知らないけど





「おいA、ちゃんと前向いて歩け」






町まできてキョロキョロすんなってのが難しい






「まるで幼子ですね」


『喧嘩売ってるなら買うよ?それに学歴ならお前より上』







女ってもんはな目移りしやすいんだよ。…………あ、あの簪可愛い








『…………』


「……?何見ている早く実習終わらせたいんじゃなかったのか」



『いや。あの簪可愛いなって……』








わたしがそう言うと腕を組んで考え込む仙蔵。



どうした？？その次に飛んでくる言葉が予想できるぞ



お前も女なんだよなﾌｯって笑ってくるよ。ウォーミングアップしなきゃ

乙女心が分かってない悪しき男のためにわたしが1発鉄拳をね







「よし、ではこの実習が終わったら買ってやる。だから……ってなんだその構えは」


『え、いやだって馬鹿にしてくるのかと……』



「何故簪で私がお前を馬鹿にするんだ。お前も女なのだからそれくらいは気にするだろう?」









え、やだぁ仙蔵がかっこいい
今の姿が女じゃなけりゃ惚れ直してたよ

人の金ってのがまたいいよね









「だから頼むから後輩の前でやる気のないいつもの姿を見せないでくれ」


『お前絶対それが本音だろう』








お前ほんとに元わたしの旦那候補？？

これなら学級委員長たちにたかった方が搾り取れる気がする








『だぁりん、わたし1番高い簪が欲しいなぁ』


「出来高だ。そんなの」







これだからい組は駄目なんだよ。マニュアル通りにしか動かないだろう








『コバルトブルーの簪がいいなぁ』


「Aは何を買うにしてもその色ばかりだな」







簪屋で立ち止まってそんなことを話していたら前を進んでいた綾部がわたしたちに言った







「……まるで熟年ですねぇ」


『まぁ一応情人(だったヤツ)でもあるし』


「えっ……」






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