検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:44,649 hit

ページ16

乱歩side




駄菓子を全てAに託して家に帰ってきた。
コートと帽子を雑にポールハンガーに掛けてそのままソファにダイブ。


少しでも夙く頭を冷やしたくて、ソファの上で蹲り乍目を瞑った。
此の侭寝れたら忘れられるかな、なんて。




どれだけ経っただろう。
未だ夕方にもなって無いからか、全く眠る事が出来ずにソファから体を起こす。



「10分も経ってない…」



忘れようとすればする程、Aの事が頭から離れなくなってより一層モヤモヤする。




気持ち悪い。気持ち悪い。



此の感覚は何だ…?
僕はどうしちゃったの…?





家の中に居ても全然冷静になれなかったので、矢っ張り外へ出ようとコートを着て帽子を被る。
無難に探偵社に行こう…なんて考えた僕が莫迦だった。




『___く…い!夙い!』




探偵社へ向かう途中で叫び声がした。
此の声はよく知っている。Aだ。

誰かと話しているのか_____?




ふと、遠くに目を凝らす。
後ろ姿しか見えなかったけど、誰かは一目瞭然。
………太宰だ。





太宰がAの手を取って歩いている。
否、あれは引っ張っていると云った方が良いのか。
何方にせよ良い気はしなかった。



モヤモヤした感情は消えること無く膨れ上がる。



気付けば走り出していた。
気に食わない。男と、ましてや太宰と手を組んで歩いている姿なんて見たくない。



手を離せ、離せ、離せ。





もう直ぐ彼女の手を取って、太宰から引き離せると手を伸ばしたその時彼女は自分に躓いて転けた。
自然と繋いでいた手が離れる。




ホッとなんて出来なかった。




『あ、治く、ごめ_____』






謝らなくて良いじゃないか。
実際歩幅は合ってなかったし。彼女は何も悪くない。





モヤモヤした感情は次第にイライラへ変わった。
振り向く太宰と目が合う。





僕は屹度怖い顔をしていただろうな。





その反面太宰は余裕そうな顔で此方を見ていて其れが更に腹立たしい。









「何、してるの」








漸く絞り出した台詞(それ)は僕のものか疑う程に低い声を吐き出していた。

・→←或る爆弾



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (77 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
137人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

オキくん - この作品サイッコー!乱歩さんかっこかわいすぎる!これからも頑張って下さい! (2019年10月12日 17時) (レス) id: 5d04af8ab7 (このIDを非表示/違反報告)
名無し丸33号 - 尚さん» うがががが私も好きですぅぅぅぅ乱歩さんのキャラ崩壊しない様に(もうしてる)頑張ります(;▽;)(;▽;)ありがとうございます!!! (2019年7月2日 1時) (レス) id: 5f76d6b454 (このIDを非表示/違反報告)
名無し丸33号 - natu2525さん» もう一個あったんですね(;▽;)(;▽;)ありがとうございますううう!!(何ヶ月ぶり) (2019年7月2日 1時) (レス) id: 5f76d6b454 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ァァァァァ乱歩さんがァァァァァ(語彙力の消失)好きです!更新頑張ってください! (2019年6月7日 23時) (レス) id: ee472e7980 (このIDを非表示/違反報告)
natu2525(プロフ) - 淳じゃなくて、【敦】ですよー! (2019年6月1日 18時) (レス) id: 998ef4aa34 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:名無し丸33号 | 作成日時:2019年4月11日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。