【文スト】嫌い 好き 嫌い 【江戸川乱歩】

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乱歩side




『やっぱり乱歩さん凄いですね〜』


帰り道。
現場に着いてからというもの、5分としない内に事件は解決したからだろうか、Aがポツリと呟いた。


「当たり前だろ。異能力を使ったんだから」


普段なら胸と声を張って云うセリフも君の隣に居ると何故か出来ない。
何だか恥ずかしくなってその場で帽子を被り直したが彼女は隣で『ですよね〜』なんて、此方に見向きもしなかった。




何で僕だけこんなに調子が狂わされるのか。




どれだけ時間を掛けて考えても、異能力を使っても、決して解くことの出来ないこの謎は毎度僕の心を黒く染める。



『暇になっちゃいましたね。駄菓子屋寄っても良いですよ』

「其のつもりなんだけど」

『ならとっとと行ってとっとと帰りましょ』

「そうだね。僕も夙く1人になりたいし」



此奴にこれだけ調子が狂わされるのだ。
僕としては一夙く帰宅して頭を冷やしたい。

じとーっと此方を見るAに気付かない振りをしながら駄菓子屋を目指す。




つかつかと歩いていると後ろから鈴のような声が僕を呼んだ。

『乱歩さん』


「…何」









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『駄菓子屋と真逆の方向に進んでますけど』

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