【男主】俺の区域に入ってくんな 3

☆区域140☆ ページ49

「中1ぐらいの時、クラスの同級生たちに女装しろって言われて無理矢理させられて…その時に…」


＿＿＿＿＿


「やめてよ！！」



「いーじゃん！ちょっとくらいー。キャハハ！かわいーい」



ゲラゲラと、珍しいものでも見るような目で見てくる。



いやだ、こんなことしたくない…。



だけど、何も抵抗も出来なくて、されるがままだった。その時、教室のドアが開いた。



「何してんの」



凛とした声がした。まだ声変わりもしていない少し高めの綺麗な声。



後ろを振り向くと、紅桜中イケメンランキングトップ3に入っている雨宮A様がいた。



いつも無表情で、他人なんてどうでもいい、ってオーラ出してるのに助けてくれるのかな…？



「え…？！A君…！？え、えっと…！これは…」



あたふたしてる女子たち。いつもA様の側に居て、気に入られようとしてる人達だから、誤解されたくないんだろう。



「ソイツ、嫌がってんじゃん。やめてあげれば？」



「……っ、ご、ごめんなさいっ…」



す、すごい。たった二言ぐらいで女子全員を追い出した。



「…あの！助けてくださって、ありがとうございますっ！」



「別に。…アンタ、男だよね？」



あ、そ、そっか！僕…今女子の格好してるんだった！



「あ！はい…女子にこんなことさせられるって、男として情けないです…」



うつ向いていると、スタスタという足音が聞こえた。あ…、帰っちゃうのかな…。



すると、A様は教室をぐるぐる歩き回ってる。何か探し物でもあるのかな？



すると、掃除ロッカーの前に立ち、開けると服みたいのが出てきた。



「はい、アンタの制服。隠されてたよ」



手には僕の制服が。きっと制服を隠して、女装した格好で帰らそうとしたんだな。



それにしても、何でこんなにA様は優しいんだ！



A様の優しさに涙腺崩壊。



「っ、うぅ…あ”りがどうございまずぅ…！！う”わーん」



「顔ぐちゃぐちゃ…」



「あげる」と、ティッシュをくれた。



「う”っう！優じいんでずね！…チーン！！」



豪快に鼻をかみすぎてしまった。は、恥ずかしい…。



「っはは、アンタ面白いね」



ドッキューン！！



わ、笑ってくれた…！心臓がバクバク言ってる。嬉し過ぎる！！



「じゃあね、今度は気を付けなよ」



少し微笑みながら、そう言って教室を出ていった。



さすが、イケメントップ3に入ってるだけはある。



…惚れてまうやろーー！！

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