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Aside


先《ですから、ここはこのように変化して…》


授業、早く終わらないかな。


あ、飲み物買っていこう。


いつものお礼で…。


先《じゃあ来週までに課題をやって、提出は───》


大倉くん、お菓子とか食べるのかな。


好きなお菓子分かれば買ってくけど…。


他「ばいばーい」

他2「今日あそこよろうよ〜」


講義室を出て、階段を2つ降りて、

その階段から1番近い自販機の前。


『…おまたせ』

大「ん」


あ、もう飲み物持ってるや。


お菓子は……いいか、やめよう。


大「…うん、できるようになったな」

『あ、でもここが分からなくて…』

大「どこ?」


今日はいつもの席が空いてなくて、

窓際の、死角になる所。


なんでいつもはガラガラなのに今日に限って混んでるのか。


大「ほなここやったら見せて」

『うん』


換気のためなのか、少し開いた窓から

冬の冷たい風が入ってくる。


そうか、もう11月になったのか。


大倉くんとの勉強会も何回目だろうか。


『…大倉くん』

大「ん?」


大倉くんは自分の手元を見たまま返事をする。


『…好きだよ』

大「……」


大倉くんの動きがピタッと止まって、

顔を上げてくれたと思えば悲しげな表情をした。


大「ちょっとトイレ行ってくる」

『…うん』


断られるのはわかってた。


けど、それでも想いは増すばかりで、

だったらさっさとフラれて…。


前回も、ちゃんとごめんって言われた訳じゃない。


まぁ、私のわがままだけど。


あんなのほとんどフラれたようなもん。


そんなことを考えて泣きそうになっていると、

隣の椅子に誰かが腰かけた。


いや、"誰か"じゃない。


大倉くんだ。


『大倉くん?』


すると、大倉くんは私の肩にもたれかかる。


大「……勉強会…やめよう?」

『……え?』

大「もう…もうあかんねん…」


私が大倉くんを好きだからってこと?


大「これ以上お前と一緒におったら…あかんねん…」

『……うん…わかったよ…』


そのまま暫く、大倉くんが顔を上げることはなかった。


大「お前は…勉強が苦手な訳では無いと思う…」

『うん』

大「やり方さえ分かればスラスラ問題解けるから…わかんなかったら先生に聞きや」


最後に…最後にわがまま言っていいだろうか。


大「…もう多分…話すこともないから…」

『……うん』


いや、やっぱりやめよう。


大倉くんのことはもう、忘れてしまおう。



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ゆりかご(プロフ) - paruru1012さん» コメントありがとうございます!そうやって言って貰えて嬉しい限りです( >_< )気持ちに応えられるように頑張って書きたいと思います! (2021年3月20日 23時) (レス) id: ffb8278a16 (このIDを非表示/違反報告)
paruru1012(プロフ) - 今1番気に入っていて先が気になる作品です!無理にならないペースで更新頑張ってください! (2021年3月20日 17時) (レス) id: 61555b5d32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆりかご | 作成日時:2021年3月10日 2時

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