離さないで (ページ10)

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手術が決まれば、あとはドナーを待つまで。

満「A！！」

急に飛び込んできたパパが発した言葉に耳を疑う。

『…ほんとに？』

満「あぁ」

ドナーが見つかった。

パパ今そう言った？

満「準備をしよう」

『…うん』

準備をして、手術室に入る。

そうすれば周りの動きを見ているうちに、

いつの間にか麻酔で深い眠りにつく。

目が覚めればいつも通りの天井。

丸「A！」

まるちゃん、すごい顔。

そんな心配することないのになぁ。

丸「よかったぁ(泣)」

なぜまるちゃんが泣いてるのかはよくわからない。

たぁくんは……いないみたい。

丸「大倉とは交互で来ようって話して…ｸﾞｽｯ」

『泣かんといて…笑』

まるちゃんとたぁくん、交互に来るようになってしばらく経った頃。

『たぁくんには…学校に行って欲しいなぁ…』

母「今までずっと来て欲しいって言っとったやろ？」

『…うん』

Aのわがままやってことはわかってんねん。

早く退院したいなぁ。

丸「A」

『まるちゃん』

丸「体調は？」

『平気やで』

学校終わりのまるちゃんが顔を出してくれる。

丸「外めちゃめちゃ暑いで」

『うん、暑そう』

丸「クーラー寒ない？」

『大丈夫だよ』

丸「……好きやで」

『………うん』

丸「知ってると思うけど…」

わかってるよ、まるちゃん。

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