7 ページ7
.
Aside
丸「A」
『まるちゃん、学校お疲れ様』
丸「検査は？」
『今終わって結果待ってるところ』
今日は定期検診。
『ねぇ、たぁくん最近どこ行ってるか知ってる？』
丸「え、知らへん」
まるちゃんと2人で病院の裏庭でお散歩。
『ほなたぁくんには言わんとってな？』
丸「おん。なになに？」
『図書館)ﾎﾞｿｯ』
耳打ちで、まるで幼稚園生のように話をする。
たぁくんとはよくしとったなぁ。
丸「え、なんで？」
『女の子と行ってるんやで。ほら、あの子』
丸「花ちゃん？」
『そう！』
この前、図書館の方に向かうたぁくんと花ちゃんを見かけた。
丸「なんで言ったらあかんの？」
『だって、そしたらたぁくんAの方に来るやろ？』
丸「あかんの？」
『あかんよ。たぁくん、やっと別の人にいけてるんやもん』
正直、たぁくんのことは好きやけど、
いつ死ぬかわからないAより、
元気で可愛らしい花ちゃんと付き合って欲しい。
『せやから、内緒やで？』
丸「……わかった」
看「Aさん！困ります！もう結果出てるので戻ってください！」
『あ、見つかっちゃった。待ってて、すぐ戻る』
丸「おん」
看護師さんに連れてかれて、診察室に入る。
『パパ』
満「…A、最近お前、無理が多いんじゃないか？そろそろ移植のことを…」
『しいひん。何回も言わんといて』
満「このままやったらAは…」
『ええやん。なにがあかんの？』
満「……もういい、帰りなさい」
『薬、パパが持って帰ってきてね。Aはまるちゃんとお散歩して帰るから』
Aは、生き方すら選ばせてもらえへんの？
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 165人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆりかご | 作成日時：2021年6月19日 20時
