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ﾎﾟﾝｯ
〈いま電話出れる？〉
元気がないのが心配でメールを送った。
ﾋﾟｺﾝｯ
安〈無理〉
安〈女の子とおる〉
あ、そうですか。
私の心配を他所に他の女の子と。
この時初めて、
私の中で何かがモヤモヤしていた。
PRRRRRRRR…
『あ、もしもし渋谷さん？』
渋《おぉ、どないしたん？》
『んーなんか、なんだろ…笑』
渋《ん？》
『会いたいかも』
ほんと、ろくでもない女。
渋《うん、そっち行くわ。》
『ごめんなさい、夜遅いのに』
渋《ええよ、すぐ向かうから》
『ありがとうございます』
電話を切って少し待てば、
ダル着に帽子とマスクを付けた渋谷さんが家に来る。
渋「どないしたん」
『ううん』
渋「ほんまか？酒ちょっと買ってきたけど飲む？」
『ちょっとだけ飲みたいです』
渋「好きなの飲み」
なぜか今日はよくお酒が進む。
『すばるくん』
渋「ん？」
『したい』
渋「ふっ笑。お前は……。ええよ」
レモンの味がするキス。
『んっ…』
すばるくんの腰をなぞる手付きが好き。
『わたしの番…』
渋「ん…」
すばるくんとのえっちは長い。
今までも何回かしたことあるけど、いつも丁寧。
渋「ん、水」
『ありがと』
ただこの人は終わったあとにすぐタバコを吸う。
『タバコ臭くなっちゃうよ』
渋「元からタバコ臭いわ」
換気扇の下で吸う彼をボーッと見つめた。
渋「やすは？」
『え？』
渋「今日、なんで俺やったん？」
『……今日は…他の子と居るからって』
渋「ふーん」
そのあとは2人同じベッドに潜って、
朝起きるとすばるくんは帰ってる。
安〈不在着信〉3:46
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作者名：ゆりかご | 作成日時：2022年2月20日 3時
