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渋谷side
「好きって言ったらしいな」
安「ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ……なによ急に」
「んや、そう聞いただけ」
安「誰から？」
「あいつから」
ふーんと言いつつ水を飲むヤス。
「なんで付き合わんかったん？」
安「なんでって…」
こいつのことや、
失うのが怖かったとかそんなんやろ。
「俺はお前がこの世で1番アホやと思うわ」
安「……俺も」
ただ、少しだけその気持ちが俺にもわかる。
大切な人が離れて行かんように、
適切な距離を自ら保つ。
「今日話してみたらええやん」
安「なんて？」
「付き合おうって」
安「フラれたら立ち直れへんもん」
「酒でもなんでも付き合ったるから」
ボーッと遠くを見るこいつは、
自分なりに色々考えているんやろう。
安「付き合えたとしてさ」
「おん」
安「あの子のことを傷つけへんかな」
「なんで？」
安「今までの行いもあるし、俺のこと信じて！って胸張って言えへんやん」
「言えへんの？」
安「…言いたいよ…すごく」
ほなら言ったらええやん、とか
そんな簡単なことちゃうよな、わかるで。
「あいつはそんなことも考えられんほど子供やないと思うで。
ちゃんと自分で考えて、傷つく傷つかへんも含めて」
安「…うん」
ほんまこいつらは。
ほんまに。
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作者名：ゆりかご | 作成日時：2022年2月20日 3時
