君をこの手で包みたい.3 (ページ9)

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Aside

『章ちゃん、浅山さんって…』

章ちゃんから聞いた。

私がわがまま言って半強制的に吐き出させた。

安「Aちゃんの言うてた通り伝えたで」

～～～～～

浅「あの…私…大倉くんのことが…」

安「本人も警察沙汰にはしたくない言うてたから。よかったな」

～～～～～

安「けどやっぱり退学にはなってたで」

『…大倉くんは？』

安「…元気やで。浅山さんとは別れたって」

別れたんだ。

よかった。

安「退院したらどこ行きたい？」

『んーとねー、あそこのクレープ屋さん行きたいなあ』

安「お！ええなあ」

どこ行くかなにするか、

色んな話をしていると、病室のドアが開いた。

丸「よっ」

『丸山くん』

丸「平気かー？心配したんやでー？」

丸山くんがもうひとつの椅子に座ると、

病室を見渡した。

『…？』

丸「懐かしいな」

『え？』

丸「ここ、麗奈がおった病室やねん」

丸山くんの、懐かしそうな、寂しいような、

暖かい笑顔。

それと同時に蘇る麗奈さんの笑顔。

安「僕、最初麗奈さん見た時ゾッとしたわ」

『えーなんでー？』

安「Aちゃんのこと見る目が、完全に人殺す目やったもん。」

丸「はははっ笑。確かに、麗奈そーゆーとこあるわ笑」

みんなでケラケラ笑っていると、

あっという間に時間が経って、

面会時間が終わっていた。

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