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丸山side
「なぁ大倉」
大「んー？」
高校の時から、
こうして何となく、どちらかの家に行き、
意味の無い時間を過ごす。
「俺この前Aちゃんと海行ってん」
大「…なぁまる」
大倉の発したその一言は、
2人の関係を修復しようとした俺、
いや、それ以外の人にも、
大打撃を与えるものだった。
大「せやからもう…」
「……笹生さんとは別れてるんやな？」
大「別れてるも何も…そもそも付き合ってへんって何回も言うたやん」
どうにかしないと、
ほんまに2人はこのまま…。
大「まぁまだ考えてる段階やし…」
「…あかん。」
大「え？」
「…どっちも諦めたらあかん！」
2人以上に俺が1番熱くなってどないすんねん笑。
けどそれくらい、この2人には幸せになってほしい。
麗奈がそう言ったように。
大「あとな」
「うん？」
大「…1回だけ…1回だけ、話そうとしてん。Aちゃんと」
「なんて？」
大「…もう1回ちゃんと話して、それでお互いに気持ちがあるならよりを戻そうって思っててん…」
今にも泣き出しそうな大倉の顔。
大「バイト先だけ覗いてやめてん…」
「なんでやめてん。話したらよかったやん」
大「笑っててん。」
ポカーンとなる俺の頭。
ええやん、笑ってたなら。
大「…俺、付き合ってたって言っても…最後の方はAちゃんが笑ってんの見てへんねん」
「最後の方って…」
大「…俺が麗奈のこと優先し始めた頃」
「…大倉…」
大「せやから、笑ってるならいっかって…好きなんは俺だけなんやって」
見てるこっちまで心が痛くなるような大倉の表情。
俺が、どうにか力になれたら…。
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作者名：ゆりかご | 作成日時：2021年5月23日 2時
