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渋「お、雪降ってきた｣」
『ほんまや』
2人でぼーっと空を見つめる。
渋「帰りたないなぁ」
『…/////』
渋「なに照れてんねん…/////」
フードを雑に被せられ、
視界が暗くなる。
渋「このまま年越すか」
『…うん』
渋「お前、さっきからうんとかしか言わんなぁ。急に俺の事嫌いになったんか？」
『ちゃうし』
渋「ほなちゃんと言えや。俺しか言うてへんぞ」
『さっき聞かれたやん！！』
渋「あれは事故やん。ちゃんと目見て言うて。」
ずるい。
すぅくんはほんまにずるい。
『…///』
渋「んっ…」
『わっ…なに、急に…』
モジモジして前を向いていると、
急に頬にキスをされる。
渋「今更なに照れてんねん。もっとすごいのしてるやろ。」
『………もっとすごいのがええ』
渋「好きって言ったらええで」
ほんっっっまにずるい。
『すぅくんのことが……好き…です……』
渋「なんやねん、ですって…笑」
『ん……』
少し昔のような、深い深いキス。
けどひとつだけ違うのは私たちが彼氏彼女ってこと。
『もう1回好きって言って…』
渋「なんでやねん」
『足りひん』
渋「十分やろ。そんな贅沢させられへん」
『…あほ』
そろそろ年越すなぁ。
渋「帰んで」
『え、もう？』
渋「歩いてる間に年越せるやろ。」
そう言われて歩き出せば、
すぅくんから手を繋いでくれた。
『なにさっきからケータイ見てるん。』
渋「秒針見てんねん」
『あと何秒？』
渋「30秒もないで」
2人で秒針の針を追いかける。
渋「A」
『ん？』
渋「好きやで」
『え、ん…』
街灯の下、
日をまたぐ瞬間、唇が重なった。
手を絡めて唇を離せば、
近い距離で目が合う。
『贅沢はさせられへんってさっき聞いたんやけど…』
渋「正月くらいええやろ」
照れくさそうに話すすぅくんが愛おしくて、
思わず飛びついた。
渋「帰らな怪しまれんで」
『とっくにバレてると思う』
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作者名：ゆりかご | 作成日時：2021年2月15日 3時
