初恋は大人味 (ページ22)

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と「ほな私こっちやから」

『うん。』

今日としはは田中くんの家に行くみたい。

結構遅くなっちゃったな～。

少し早足で家に向かうと、

門の前に人影が。

『……？』

暗くてよく見えなくて、

恐る恐る近付いてみる。

『…すぅくん』

渋「…おかえり」

ダウンを着て、ブーツを履いて。

どれだけ待ってたんやろう。

『なにしてるん？』

渋「待ってた」

なんで？

沙羅さんは？

より戻したんとちゃうの？

渋「…行こ」

『行かへん…』

渋「…」

『だいたい…どこ行くん？』

渋「公園」

『……なんで』

渋「なんでも」

半強制的に手を引っ張られて、

公園へ着けば奥の方で若い男の人たちが遊んでる。

渋「座りや」

『…やだ』

渋「イヤイヤ期でも入ったんか…？」

ほら、と言って飲み物がベンチに置かれた。

渋「もう冷めたけど」

『冷たいココア…』

"ホットなココア"って書いてあるのに。

『なんで会いに来たの？』

渋「なんでって……勝手に離れたんはお前やん」

なにそれ。

渋「俺はお前から離れる気なんて一切…『じゃあなんで？』

思わず大きな声が出て、

奥にいたお兄さんたちがこっちを見てる。

『……沙羅さんって誰…？』

渋「……元カノ」

『……すぅくんは…誰が好きなの…？』

これを聞いたら終わりだと思ってたのに。

渋「………狭山 A」

『……(泣)』

なんで今更。

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