初恋は大人味 (ページ20)

今日:4 hit、昨日:7 hit、合計:15,387 hit

20 ページ20

.

『もう…すぅくんに会うのはやめようと思う…』

と「…沙羅さんのせい？」

『ううん…』

いや、どうなんだろう。

わからへん。

『…大倉くんと…本格的に距離を縮めようと思ってて…』

と「…」

『この前は海遊館行って…ジンベイザメとクラゲ見た…』

昔、すぅくんと同じ景色を見たのに。

『ぜんっぜん違う景色に見えた…』

と「どっちの意味？」

『良くも悪くも…』

その時、大倉くんがぬいぐるみを買ってくれた。

『次のデートも約束してるし』

と「デートって…」

『としは、ええんよ』

ええんよ。これで。

『すぅくんは私には大人すぎた。』

ずっとずっとわかってたことやのに。

『…大倉くんと向き合うよ』

と「A…」

『ほら、私と大倉くん付き合うようになれば田中くんとかも一緒にダブルデートできるやーん？』

ダブルデート、ずっと夢やった。

『ね？』

と「…Aがそう決めたなら応援する」

少し不満げな顔のとしは。

『田中くんとこのあと会うんやろ？』

と「うん」

『よろしく言っといてな』

としはとバイバイして、

1人でぼーっと考える。

『彼氏……』

私、クリスマスは大倉くんと過ごすんやろうか。

《もしもし？》

『もしもし大倉くん？』

大《どないしたん？》

『なんとなく。』

大《えーなにいよ笑。かわええこと言うやん笑》

うん。そうやんな。

私は大倉くんの近くで安心していたい。

.