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Aside
お店の外からバイクの走る音が聞こえる。
この辺でこんな大きな音珍しいな。
渋「で？お前はどーなん」
『なにがですか？』
渋「ちょっとは立ち直ったん？」
『……わかりません』
静かな店内にBGMが流れている。
『…勉強して見て見ぬふりして、でも頭のどこかに彼はいて…今、誰かと笑ってるのかなとか…彼女できたかなとか…ずっと繰り返してます』
渋「…」
『去年ケンカしちゃったクリスマスだって、また次過ごせばいいって思ってたのに……次って簡単じゃないんですね』
そう話すと、すばるさんが灰皿に灰を落とした。
渋「好きなんや」
『………わかりません』
渋「頑固やなあ」
『違いますー』
渋「ほな新しい男でも捕まえたらええやんか」
"新しい男"か。
考えたこともなかった。
『すばるさんって別れてすぐ彼女作るタイプですよね』
渋「相手がおればな」
『最短どれくらいで作りました？』
渋「……………言われへん」
『…え、被ってたとか？』
渋「…ほんっまに言われへん」
『絶対被ってた。最低。』
渋「な！お前！クビにすんぞ！」
『する気ないくせに！！』
こんな言い合いが始まればノンストップ。
やんややんや言い合って、
全然関係ない話まで持ち込む。
渋「あの子でええやん、ほら、同じクラスの」
『章ちゃん？』
渋「そうそう」
『章ちゃんは友達ですよ』
渋「つまんな」
『は？』
ふざけてるように見えて、
私が落ち込まないように一生懸命話してくれてるんだろうな。
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作者名：ゆりかご | 作成日時：2021年4月17日 23時
