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丸「2名ですー」
炭の匂いと、焼ける音が響き渡る中、
俺とまるは席に座る。
丸「なんやねんさっきからチラチラケータイ見て。なんかあんのか？」
「んや、なんもないで」
紗〈遊園地楽しみやね！〉
〈せやな〜〉
丸「烏龍茶ふたつと、タンと…カルビ！あとわかめスープください」
いつも同じメニューやから、
まるが勝手に注文してくれる。
「で、なんか話したくて誘ったんちゃうの」
丸「んー、まぁそうやけど、食べながらでもええやん？」
「………そう」
丸「冷たいなあ笑」
さっきまでケラケラ笑ってたまるの顔が、
悲しいような、切ない表情に変わる。
店「お待たせしましたー牛タンと牛カルビ、烏龍茶おふたつですね。」
丸「ありがとうございますー！」
早速まるが焼き始めて、
いい匂いが漂ってくる。
丸「なぁ、なんで別れたん？」
「……うん」
やっぱそんなとこか。
丸「うんって笑。なんでなん？」
「……麗奈のこと連絡来て、その時Aちゃんと一緒に居ってん。別れるかどうか話すために」
丸「え、元々別れるつもりやったん？」
「…6月の記念日の日に別れようって言われて、別れへんからって言うて…距離置いてた」
生きた心地せんかった。
「それで、1ヶ月経って改めて話しに行って、元通りに戻れそうやったけど…」
丸「けど？」
「……麗奈のとこ行かんとってって言われて、俺が… 急に大切な人が居なくなる気持ちお前になんかわかるかって……ほんま酷いこと言ったと思う…」
自分でもわかってんねん。ちゃんと。
丸「それで別れたん？」
「…別れるなら出てけって言われて…俺は麗奈のとこ行った…」
丸「……大倉はさ」
カチャンと箸を置く音がして、
まるの方を見る。
丸「まだAちゃんのこと好き？」
俺の心臓が大きく音を立てて、
頭が真っ白になった。
「……まる」
丸「ん？」
「…俺、彼女できてん」
ﾊﾟｼｬｯ
冷たい。なんか当たったし。痛い。
…なんや、まるの烏龍茶か。
丸「…お前、ほんまに訳分からん。」
グラスを勢いよく置いて大きな音が鳴って、
自分の分だけ金を叩きつけたまるが俺の横を通って帰って行った。
店「お客様、大丈夫ですか…？」
「あ、はい…すみません…」
まるがあんなに怒ったの初めて見た。
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作者名：ゆりかご | 作成日時：2021年4月17日 23時
