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大倉side
「麗奈」
麗「たぁくん」
「平気？」
麗「うん。ちょっと楽になってきた」
個室のベッドで横になる麗奈の近くに腰掛ける。
麗「たぁくん誰かと一緒やったやろ？ごめんね」
「…ええよ、大丈夫」
麗奈にはできるだけ寂しい思いをさせたくない。
ｶﾞﾗｶﾞﾗ…
??「麗奈」
麗「パパ…」
「おじさん、こんにちは」
麗奈のお父さんの、
この病院の医院長。
満「体調は？」
麗「もう平気やで」
満「そうか」
それだけ交わしてまた仕事へ戻ってしまった。
麗「相変わらずやんな笑」
「麗奈、そろそろ休みや」
麗「…たぁくんはいつも優しいね」
そう言われ、手を握られる。
「…なんか飲む？飲み物買ってくる」
麗「お茶」
「ん。待っとき」
病室を出てケータイを手にする。
〈まる〉
ﾋﾟｺﾝｯ
丸〈あいあい！〉
〈ちょっとAちゃんに声掛けたって〉
丸〈へ？なんで僕？〉
〈多分今俺と話す気になれへんと思うねん〉
丸〈わかった〉
丸〈あとでちゃんと話してもらうで〜〉
それと一緒に変なスタンプが来て会話が終わった。
満「大倉くん」
「はい！」
満「今平気か？」
「大丈夫です」
買った飲み物を持って、近くのベンチに座る。
満「麗奈を、説得してくれないか？」
「…え？」
満「最近体調が悪いのは私のせいもある…。」
事情を聞けば、麗奈が臓器移植の手術を拒むと言う。
「心臓は…」
満「麗奈の心臓だと…もう年は越せないだろう」
お父さんは俯いたまま話す。
満「臓器移植をすればまだ希望は見える。」
「…」
満「ドナーは時期に来るだろう。しかし、麗奈が認めない限りは勝手にする訳にもいかん。」
俺に、出来ることはあるんやろうか。
満「君しかいないんだ。頼んだよ」
「…はい」
何が出来るやろう。
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作者名：ゆりかご | 作成日時：2021年4月17日 23時
