君をこの手で包みたい.2 (ページ31)

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番外編2 ページ31

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『おはよう』

数年前から勤め始めた、

"横山探偵事務所"。

最初は変なとこへ来てしまったと思ったものの、

住めば都、とでも言えばいいだろうか。

横「おはよー」

『ねえ、それ家でやれば？』

横「ええやんかー。仕事ないねんもん」

同い年の横山裕。

この探偵事務所の社長兼探偵。

横「お、いつもと匂いが違う。またあの男のとこ？」

『毎回それ聞くのなにー？』

横「いや、いつまで関係続けてんねやろーと思って」

『…別に、お互い承知の上ですし』

横「馬鹿やな」

裕は何かとケチつけてくる。

横「他の女いるか捜査したろか？」

『別にいい。』

横「えー？好きなんちゃうん？」

『違うって何回言わせるの。ほら、足上げて』

横「うぇーー」

お湯を沸かす間に掃除機をかける。

横「俺はそんなAちゃんが好き^^*」

『はいはい』

ﾋﾟｺﾝｯ

大〈今週末キャンセルで〉

『…はぁ』

〈わかった〉

横「Aー」

『んー？』

横「フラれた？」

『フラれてない、ん…』

柔らかい唇。あったかい。

横「…付き合お」

『…無理』

私は、こうやって色んな人とズルズルしてしまう。

一生幸せになれない人間なんだ。

横「いつ付き合ってくれるー？」

『…さあ』

この人は、本当に一途な人だ。

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