このうたをあなたへ届けたい (ページ8)

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『え？！平気ー？』

柚《うんごめんね》

いつも通りの待ち合わせ場所。

私が着いてすぐに柚葉から連絡が来た。

『今日は私1人いいから、ゆっくり休んで？』

柚《うん。ありがとう》

夏風邪かなー。なんて思いつつ電話を切って、

ライブをやるために目的地へ向かった。

『今日も来てくださってありがとうございます。』

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ…

『今日は映像には残らないライブなので、ちゃんと目に焼き付けて帰っていただけたら嬉しいです』

あ、今日はあの女の人達いないんだ。

でもその代わりに男の人が止まってくれた。

『それでは聞いてください。1曲目…』

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この日もライブは順調に進んで、

いつもより時間が経つのが早かった。

『今日は本当にありがとうございました。次の曲で最後になります。聞いてください』

ギターの弦の擦れる音がキュッとなる。

『帰ってくるから待ってろよ

我慢できるか？って耳もとで

優しく聞くから

あぁ涙ぽろり』

終わった。

今日もやりきった。

『ありがとうございました』

見ていた人が少しづつ帰り始めて、

私も片付けを始めた。

『わ、ピックしまい忘れた…』

ケースの中から急いでピックケースを出す。

『あー！最悪！』

ぶちまけた。

もー。

拾うのめんどくさー。

『はぁ…』

??「どうぞ」

世の中には優しい人がいるんだな。

『すみませんっ…』

あれ？この人ライブ見てくれてた人だ。

帽子かぶってて、

夜でもジメジメしてるのに黒いマスクだし、

よく覚えてる。

服も、

これ知ってる。

『あっ………安田さんですよね…』

安「そうです^^*」

えーえーえー！！！

どうしよう！！

『あのっ、私この前のツアー行った時に安田さんにピック貰って！！』

服の中にしまったネックレスを急いで出す。

『使うのももったいなくて、でもずっと身に付けてたくて、申し訳ないんですけど穴開けさせてもらってネックレスにしてっ…！』

安「ははっ笑。よくしゃべるなあ笑」

『ごめんなさい…』

安「ええよええよ！覚えてるで。冬の東京公演やろ？しぶやんeighterとおった子。」

あぁもう。

幸せすぎるよ。

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