このうたをあなたへ届けたい (ページ47)

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久しぶりにあの夢を見た。

広い会場に私1人。

『…ツアーは無理ってこと？』

こんな夢に出なくたっていいじゃん。

『…誰かいる？』

薄暗い会場の中を目を細めてみると、

うっすらと人影が。

『………しょうちゃん？』

安「…ﾆｺｯ」

あぁ、とうとうしょうちゃんまで。

『っ…(泣)』

そこで目が覚めて、

起きるとすぐ目の前に男の人の寝顔。

大「ん…どないしたん？」

えっと…なんで大倉さんいるんだっけ。

あぁ、そうか。

昨日、ドラマの撮影のあとに飲みに行って…。

『…ずっと好きだった人の夢を見ました』

大「そう。」

カチッと音がして、

部屋に煙が舞う。

『今日は彼女さんお仕事ですか？』

大「おん。」

私と大倉さんは俗に言う身体だけの関係。

大「Aちゃんも変わったな。デビューしたての10代の頃は初々しい可愛い感じあったのに。」

『今が可愛くないみたい…笑』

大「可愛いでー？うるうるの目で見つめてくる時とか…」

『ん…タバコ、危ないですよ…』

大「ふふっ笑…せやな…」

まだ1口2口くらいしか吸っていないタバコが灰皿に放り込まれた。

『ぁっ…ん…』

大「ふっ…笑」

～～～～～

安「平気？痛かったら言うてな」

～～～～～

『っ…』

大「なん？」

『…ぎゅってして…してください…』

大「…？ええよ」

大倉さんの肌を直接感じる。

『……あの人を…重ねてるんだと思います…』

大「あの人って？」

『ずっと…好きだった人…』

大「ふーん。俺に似てるん？」

『似てる、というか……』

ふわふわと舞うタバコの煙をぼーっと見つめる。

『…近い』

大「なんやそれ笑」

～～～～～

《ただいま、電話に出ることができません…》

～～～～～

『20歳になった時…1回だけ連絡をしたことがあって…』

大「おん」

『…着信拒否にされてました…』

唯一、電話番号だけは残ってたのに。

大「そのあとどないしたん？」

『私も着信拒否にして…番号消しました…』

大「ふーん。」

そのあとすぐに私と大倉さんは別れて、

私は1人で部屋のソファーに座った。

あーあ、今日休みにしなきゃ良かった。

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