このうたをあなたへ届けたい (ページ31)

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安〈メリークリスマス^^*。今日は美味しいご飯作ろうと思います。来たかったら来てな^^*〉

素直に来てって言えばいいのに。

『もしもーし』

安《もしもしー？どないしたん？》

『なにあのLINE笑』

安《えー？なんか送ったっけー？笑》

めっちゃとぼけてる笑。

『お家行くね』

安《ほんま！待ってる^^*》

ひゃー、かわいっ。

『お母さーん。今日の夜しょうちゃんのとこ行ってくるね』

母「…今日、パパ帰ってくるって」

…嘘でしょ。

『…なんとか…嘘つけないかな…』

母「3人で食べるケーキ買って帰るって。晩ご飯よろしくって言われた」

なんで今日に限って。

『ちょっと…電話してくる…』

さっき掛けたばっかの番号にもう1回かける。

安《もしもーし》

『しょうちゃん…』

安《ん？どないしたん？》

『今日…お父さん帰ってくるんだって…』

電話の向こうのしょうちゃんが黙り込む。

『今日行けないかも…』

安《木原さーん》

マネージャーさんだ。

安《今日何時終わり？》

マネージャーさんの声が小さいけど聞こえる。

安《あ、もしもし？》

『うん？』

安《夕方には帰れるから、そしたらすぐそっち行くわ》

『え、しょうちゃん…』

安《ずっと一緒に居ればいつかは通る道や。》

その言葉に、不覚にもキュンとしてしまう。

安《わかった？》

『…はい…』

安《ん。ほな待っとってな》

電話を切って、階段を降りようとすると玄関から話し声が聞こえた。

母「Aー、お父さん帰ってきたよー」

『…はーい』

少し緊張して、ゆっくりと階段をおりる。

『…お父さん、久しぶり』

父「…それはなんだ」

お父さんの顔が険しい。

嫌だ。

父「…パパと呼びなさい」

母「……笑」

『…パパ、おかえりなさい』

父「ただいまー♡Aー♡ママー♡元気だったかー？♡」

勢いよく抱きしめられる。

『パパ、苦しいよ』

母「ケーキぐしゃぐしゃになるわよー？笑」

父「は！！！！危ないとこだった！！！」

パパは昭和の人、というか、

嫁と娘が可愛すぎて発作が起きるタイプの厳しい人。

父「冷蔵庫入れとくね～♡」

『…あの』

母「A、まだ言わなくていいよ。来るんでしょ？」

『なんでわかるの？』

母「母は強いのよ」

しょうちゃん、早く仕事終わらないかな。

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