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『おじゃまします』


2回目のしょうちゃんの家。


『なんかすごい綺麗になった?』

安「部屋の掃除してん!」

『えー!どうしたの笑』

安「どうしたのってなんやねんな笑」


リビングのソファーに2人で座る。


『…しょうちゃん』

安「ん?」

『お父さんね』


よくある話なんだけど、

自分のこととなると別問題。


『単身赴任中で…』

安「…?うん。」

『すっごい厳しい人なの…』


お父さんの顔を思い出す。


『音楽活動のことも話したんだけど、もっと勉強していい会社に入りなさいって…』

安「…」

『多分、私が何か言っても聞いてくれないし…恋人とか結婚とか以ての外で…』


結婚はわからない。


『そのうち…どっかの企業の御曹司とかとのお見合いを持ちかけてくると思う…』

安「っ…」


しょうちゃんが嫌そうな顔をしてる。


私だって嫌だよ。


『だから…その…』

安「A」


優しく、優しくしょうちゃんに包まれる。


安「…俺は…Aが好きやで…それしかないし、絶対守れる保証なんてないけど…」

『…うん…』

安「絶対…絶対絶対…傍におるから」

『…うん…(泣)』


しょうちゃんの腰に腕を回す。


『…ありがとう…(泣)』

安「ふふっ笑…可愛い顔が台無しやで笑」

『好きだよ…グスッ…』


しょうちゃんの目がまん丸に開かれる。


『大好き、ん…』


深い、大人なキス。


『しょ、ちゃん…』

安「………大好き」


首元にしょうちゃんの髪が擦れる。


くすぐったい。


安「映画でも見よか」

『…うん』


しょうちゃんがソファーから立ち上がって、

タブレットとブランケットを持ってくる。


安「なに見るー?」

『最近出たやつ見ようよ』

安「えー?あれ?」

『そう。』


映画を見てる間、

私の右手としょうちゃんの左手はずっと繋がれたままだった。



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作者名:ゆりかご | 作成日時:2021年1月2日 2時

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