このうたをあなたへ届けたい (ページ38)

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Aside

《ただいま、電話に出ることができません…》

しょうちゃん、電話出ない。

『…ｸﾞｽｯ…(泣)』

あぁ、こんな夜無くなればいいのに。

【この子、ジャニオタでしょ？】

【この前関ジャニ∞のライブでみたー】

【繋がり目当て？】

こんなコメント来ると思わなかった。

それに、自分がそんなに顔が知れてることも。

柚葉はすばるくんと今日からお泊まりらしいし、

正直私の入る隙間がない。

辛い。それしか出てこない。

私はスマホの電源を落として部屋の明かりを消すと、

すぐに眠りについた。

『…また？』

広い広い会場。

最近この夢ばかり見る。

今日に限っては、私が1人立ってるだけ。

『…っは！！』

母「んもう。なに寝ぼけてるの。しょうちゃん、玄関いるわよ。」

うそ、もうそんな時間？

時計を見ると午後の2時過ぎ。

『ごめんしょうちゃん、今から準備するね』

あ、髪染めたんだ。

黒もかっこいいな。

安「あー、ごめん。そのことやねんけど、急に仕事入ってもうて、今日無理やねん。ごめんな」

『………そっか。ごめんね、わざわざ。ケータイの充電切れてたみたいで』

安「おん。平気やで。昨日の電話なんやった？気付けんくてごめんな」

『ううん、なんでもないの。ごめんね。お仕事いってらっしゃい』

泣きそうになりながらしょうちゃんの背中を見送る。

母「Aー、コンビニ行くけどなんかいるー？」

『いらなーい』

ベッドに戻ってゴロゴロする。

ケータイの通知は切ったまま。

『…音楽、続けたいな』

その気持ちは変わらない。

繋がり目当てとか言われても、

私が音楽をやりたいことに変わりはない。

母「ちょっとA！！」

『わ！もう！ノックくらいしてよ！』

母「違うの！これ見て！！」

『なにー？』

見せてきたのはよく見る週刊誌。

【安田章大&花園ありさ熱愛】

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